抄録
個々の市町村の経済循環を把握するため,あるいは県内の小地域相互の相互依存関係を分析するための道具として産業連関分析への関心が高まっている.三重県についても作成主体はそれぞれ異なるものの,ほぼ共通したフレームワークで1985年表以降2010年表まで5年おきに県内地域間産業連関表が作成されている.ここでは,将来の継続的な三重県県内地域間産業連関表作成の基礎とするため,それらの研究成果を振り返ることにする.紙面の制約があるので十分には展開できないが,6期の地域間表を並べて比較し,その経年変化を捉えることで,三重県地域経済構造の特徴とその変化について考察し,そこから地域間産業連関表の応用可能性と課題を抽出する.