産業連関
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報告
文化芸術の経済評価の試み
―文化GDPの推計―
藤川 清史川村 匡
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2021 年 29 巻 1 号 p. 39-52

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抄録

 近年欧米では文化芸術が成長産業の1つとみなされるようになった.日本でも「未来投資戦略2017」において,文化芸術による付加価値を拡大する方針が示された.また2017年には「文化芸術基本法」が成立するとともに「文化経済戦略」が策定された.これらが日本での文化の経済的評価の契機となり,文化庁内に「文化GDPの推計のための調査研究会議」が設置された.本報告では,UNESCOの文化GDPの推計基準を紹介するとともに,それに基づいた上記会議による日本の文化GDPの推計を紹介する.日本の文化GDPは10兆5,385億円でGDP総額の約1.9%となった.このシェアは米国や英国と比較するとやや小さい,今後は文化GDPの推計法を改善するとともに,文化雇用者や文化商品の輸出入を含めた文化サテライト勘定を推計することにしたい.

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© 2021 環太平洋産業連関分析学会
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