抄録
中国経済の構造変化がいかに進行しているかは,その目覚ましい経済成長とともに識者の注目を集めている。今回は,1985-87-90の3つのI-O表を統一の部門分類で,しかも1990年価格表示によって表示し,レオンチェフのスカイライン分析の手法で構造変化の実体を分析する。同時に日本経済との比較をも試み,日中の経済構造の補完性と交流の関係についても長期的視野から検討を加える。ダイナミックに成長を続ける中国経済が今後,関かれた市場で日本経済にいかなるインパクトを与えて行くかは,わが国の産業界にとっても最大の関心事の1つであろう。以下その詳細な変化の過程を眺めてみたい。