抄録
1990年代は経済グローバリゼーションの時代の幕開けであった。1980年以降の円高傾向は日本製造業の生産拠点の海外移転を促進し,同時に東アジアではNIEs・ASEAN・中国の重層的な工業化が進展した。その結果,日本国内での成長産業は交代し,日本を取り巻く国際的分業体制も大きく変化することとなった。こうした国内外の経済環境の変化は,日本の産業構造や産業間ネットワークをどのように変化させていったのであろうか。今回は,1985年,1990年,1994年の3時点に焦点を当て,日本の産業構造の時系列変化を視覚的に追ってみる。