抄録
本研究ではLi2CO3-Nb2O5-TiO2系における三成分単一相がM相として知られるLi1+x-yNb1-x-3yTix+4yO3固溶体の合成およびその評価を行った。出発原料のLi2CO3、Nb2O5、TiO2を各組成比となるように秤量しエタノールで120分間湿式混合した。これを乾燥、PVA水溶液を添加し、金型で加圧形成した後、焼成し、得られた各サンプルの燒結体についてXRD、誘電率測定およびTEMによる評価を行った。作製した焼結体のXRD結果より全ての試料にLiNbO3に類似したLi4Nb2TiO9組成を一例としたM相として知られる三成分単一相のピークが確認された。またその場合、(012)面、(202)面に相当するピークがそれぞれ4本と2本にスピリットすることがわかり、特に最強ピークの(012)のピークに注目すると、全ての合成試料に超構造特有のサテライト反射が見られた。さらにTiO2の添加量が多いほどそのサテライト反射のスプリット間隔が広がることがわかった。TEM観察より領域境界のような層が周期的に現れ、さらに高分解能像よりTiの存在が確認できた。また、特定周波数での誘電率の温度依存性を測定した。