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蔵岡 孝治, 岡本 俊紀, 矢澤 哲夫
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1
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
PET基材上へ無機-有機ハイブリッドフレキシブルハードコート膜をゾル-ゲル法により作製した。作製したハードコート膜は、主な成分がSiO2であるので高い透過率を有していた。また、当該膜は柔軟性だけでなく硬度(鉛筆硬度3H)も有していた。この特性は無機成分と有機成分が分子分散しているためであると考えられる。
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室屋 祐二, 元木 聡宏, 酒井 剛, 島ノ江 憲剛, 山添 〓, 春田 幸典, 前田 友助
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2
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、クリストバライト、チタニア、アルミナ、カオリナイト、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムからなるコーティング剤に着目し、その熱安定性について検討した。鋼板上に上記のセラミックコーティング剤を塗布した後、種々の条件下熱処理を行なったところ、空気中では800℃で膜は剥離したが、窒素中では1100℃においても剥離は見られなかった。さらに窒素中1100℃で熱処理した試料を再び空気中900℃で熱処理を行なっても剥離は生じなかった。
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矢野 秀樹, 森 秀次, 山本 徳治, 中川 晴雄
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3
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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この研究では、硫化水素と有鉛フリット絵具との間の反応特性について検討した。そして、上記のことについての多くの反応特性試験結果を得た。特に、全ての有鉛絵具のハンター白度(w)は大きく低下した。そして全ての絵具は劣化した。しかし、この反応において、硫化鉛の形成における変質の程度は、環境対応機能性フリット絵具が他の絵具と比較した場合に小さかった。
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斎藤 豪, 三田 卓, 大沢 栄也, 坂井 悦郎, 大門 正機
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4
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
住宅品質確保促進法、住宅性能保証制度の施行により、住宅の10年保証が法律で義務づけられ、住宅用建材も高強度、軽量化、高耐久性が今まで以上に要求されるようになりつつある。セメント系材料の高強度、高耐久化には、水粉体比の低減が不可欠である。水粉体比の低減は、高性能AE減水剤の併用により可能となる。一方、建材の場合には寸法安定性も重要な要求性能となり、オートクレーブ処理によって安定な結晶性物質を生成させることも不可欠である。しかし、オートクレーブ処理した水粉体比の低い系での水和生成物と反応機構についてはほとんど報告されていない。そこで、本研究では、オートクレーブ処理した水粉体比の低い系でのケイ酸カルシウム系水和生成物の形態と反応機構について検討した。
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広瀬 健太, 芦澤 宏明, 大場 陽子, 坂井 悦郎, 大門 正機
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5
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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蒸留水または各種濃度のリン酸溶液と水和させたC
12A
7を蒸留水または擬似体液に浸漬し, 浸漬後の生成相及び浸漬液のイオン濃度変化について調査した. C
12A
7は接水直後に急激な水和反応を示すがリン酸水溶液を用いるとこれが抑制された. 浸漬液のAl濃度及びpHは浸漬期間にともなって上昇した. ペーストがリン酸を含む場合もしくは擬似体液に浸漬した場合, 水和物中のCaとAlの溶解が遅延され, 同様に浸漬液のpH変化も遅延される傾向を示した. 37℃の擬似体液に7日間浸漬後の硬化したC
12A
7の表面はHApの細かい結晶で覆われていた.
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奥谷 英司, 西川 崇, 田中 寿郎
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6
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では, 非吸水性の多孔質軽量陶磁器の作製についての研究を行っている. 我々は, 微小中空体をフィラーとして陶磁器素地内に混合し, 従来の陶磁器の焼成条件を用いてこの多孔質陶磁器を得ることが出来た. この微小中空球体(平均粒径42∼50μm)については, 母材となる陶磁器の焼成温度1260℃よりも低温(約200℃)で焼失するもの, 同程度の温度(約1200℃)の軟化点を持つもの, 高温(約1400℃)の軟化点を持つものを用いた. 今回の発表では, 微小中空球体を混合することによって多孔質軽量陶磁器を作製するにあたり, 中空球体の焼失温度もしくは軟化点の違いが, 陶磁器内に形成される気孔に及ぼす影響について詳細に研究したので報告する.
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ab initio計算による安定クラスター検索 第3報
伊藤 敦夫, トレボウ ガビン, 神崎 紀子, 小沼 一雄, 堤 貞夫
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7
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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我々は分子軌道法計算による安定リン酸カルシウムクラスターの探索を行っている。今回[Ca
3(PO
4)
2]
n、 n=3について検討した。最適化の結果、ポテンシャルエネルギー表面上でエネルギー極小値をとる24種類の異性体が得られた。最もエネルギー値の低い異性体はCs, 、S
6、C
2の3種類で、エネルギー値は0.0、3.1、4.3kcal/molであった。これらエネルギー差は計算精度から考えて誤差範囲であった。すなわちS
6異性体は他の2つに比べて格段に対称性が高いにもかかわらず、エネルギー値が低い安定な構造である。またS
6異性体はクラスター成長モデルで成長単元として提案された二種類(右手系と左手系)のC
3クラスターの平均構造に相当していた。
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田村 洋二, 藤森 宏高, 堤 宏守, 井奥 洪二, 後藤 誠史
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8
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
最近、我々はOH
-イオンに比較的敏感なラマン散乱法により、水酸アパタイト中のOH
-イオンの欠陥に関する有用な知見を得ている。本研究では、ラマン散乱法よりも局所的な構造に敏感な固体プロトン核磁気共鳴法を用いて、大気中200∼1200℃の各温度で加熱処理を行った水酸アパタイトに対して、水素原子周囲の欠陥構造の観察を行った。水酸基に帰属される0ppm付近のピークの積分強度は、温度の上昇に伴い800℃付近まではほぼ一定であり、それ以上の温度で急激に減少した。また、800℃以上の温度でピークは低磁場側へシフトし、半値幅は増加した。これらの結果は、800℃以上での脱水に伴いOH
-サイトに欠陥が導入され、プロトン周囲の構造が乱れたことを示していると考えられる。
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稲垣 雅彦, 横川 善彦, 亀山 哲也
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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本研究では傾斜的な組織による残留応力の緩和と複合組織によるアンカリングによる密着性の向上を目的としたHA/Ti複合皮膜の形成において, 皮膜形成時のプラズマガスの組成や溶射時の入力等のプロセシングパラメータが皮膜の密着強度に与える影響ついて調べた. ArにO2またはN2を(1∼6%)添加したプラズマ中にプラズマ中に80μmのHA粉末および約50μmのTi粉末(99.9%)をそれぞれ供給量をコントロールしつつ導入し, 水冷ステージ上のTi基板(JIS2種)にHA/Ti複合皮膜を溶射した. HA粉末およびTi粉末を供給する割合を制御しながら溶射を行うことで, 基板側でTiの割合が高く, 皮膜表面附近でHAの割合が高いHA/Ti複合皮膜を調製した. Ar-N
2プラズマで調製した試料は平均の密着強度が40MPa以上を示し, 皮膜形成時の入力の増加に伴い増加する傾向を示した. ArプラズマならびにAr-O
2プラズマで調製した試料は入力や基板温度等のプロセシングパラメータがほとんど等しいにも関わらず, 平均の密着強度は33MPa以下の値を示した.
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Jong-Kyu Lee, Yong-Sik Chu, Sang-Hwan Cho, In-Soo Hwang
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10
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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Chondroitin-4-sulfate sodium salts, sodium dodecyl sulfate and polycarbonic acid were added to improve the injection properties and mechanical properties for α-TCP-TeCP-DCPD bone cement system α-tricalcium phosphate and tetracalcium phosphate were prepared by heating a mixture of calcium hydrogen phosphate and calcium carbonate at 1500°C for 6h in furbace followed by quenching at room temperature. The viscosity was decreased by added amount of dispersion agent was increased. In this study, sodium dodecyl sulfate was the most effective material to reduce the viscosity. However setting time was longer when the added amount of dispersion materials was increased. The compressive strength increased when the amount of dispersion agents was increased, because liquid content can be reduced.
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田中 啓, 幸塚 広光
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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テトラメトキシシランと酢酸セルロースを原料とするゾル-ゲル法によってシリカ/セルロース複合体を作製し, 擬似体液中で複合体の力学的性質の変化を調べた。擬似体液に浸漬することによって, ヤング率は2.6GPaから1.6GPaに, 曲げ強度は85.8MPaから35.0MPaにそれぞれ減少した。一方, 破壊歪みは増加した。
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吉田 克己, 三田村 昌宜, 橋本 和明, 戸田 善朝, 金澤 孝文, 宇田川 重和
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12
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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一価および二価金属イオンを固溶させたβ-TCPをホットプレス焼結し, 得られた焼結体の機械的性質を評価した. また, 金属イオンがβ-TCP焼結体の機械的性質に与える影響について検討した. ホットプレスにより焼結したβ-TCPの相対密度は96.7%以上であった. 金属イオンを添加していないβ-TCP焼結体の曲げ強度は約110MPaであった. また, Mg
2+イオン固溶β-TCPの場合には, 添加量10mol%まで曲げ強度は140MPa以上であり, 特に添加量8mol%の場合の曲げ強度は160MPaであった. 一方, K
+イオンを固溶したβ-TCP焼結体の曲げ強度はK
+イオンの添加量の増加に伴い, 135MPaから85MPaまで低下した.
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犬塚 真博, 中村 聡, 橋本 和明, 戸田 善朝, 山下 仁大
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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ポーリングしたハイドロキシアパタイト(HAp)粉末をα型リン酸三カルシウムセメント粉末に5.0mass%添加し、硬化液には硬化液には精製水(99.0mass%)およびリン酸一水素カルシウム水溶液(1.0mass%)を用い、粉液比2.6g/gで練和して硬化体を作製した。えられた硬化体の圧縮強度を測定した結果、硬化72時間で未処理のHAp粉末を添加した硬化体よりも、ポーリングしたHAp粉末を添加した硬化体の方がえられた圧縮強度は高かった。ポーリングHAp粉末がCPCの添加物として優位であることがわかり、その応用にも期待が持てる
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平野 昌弘
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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リン酸カルシウム化合物よりなるバイオアクティブ骨ペーストを開発した。本品の粉剤は液剤中の水と加水分解反応して粉体表面にアパタイトの微細結晶を析出し, これらの結晶が絡み合うことによって流動性を失い、やがて完全に硬化する。また、37℃の体内環境下では10分程度で硬化して次第に強度を増し、擬似体液中では3日程度で最大強度の80MPaに達する。本品は水和反応により硬化するので、有機物の重合反応によって硬化するPMMA系の骨セメントとは一線を画する。すなわち、硬化に際して殆ど発熱せず、pH変動も小さい。また、硬化後は速やかにアパタイトに構造を変えるので、骨との親和性が高く早期より周囲に新生骨が形成される。
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伊藤 敦夫, 河村 春生, 宮川 俊平, レイロール ピエール, 神崎 紀子, トレボー ガビン, 小沼 一雄, 堤 貞夫
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
0.063、0.316、0.63Znwt%のZnTCPインプラントの溶解量はTCPインプラントの溶解量の92.1±0.1%から52.2±0.2%であった。一方、非脱灰標本の画像解析から実測したZnTCPインプラント吸収量はTCPインプラント吸収量の45±22%から20±10%の間であり、溶解度から予想される吸収量の40-48%しか吸収されなかった。マクロファージや破骨細胞による材料や骨の吸収は、酸性化されたファゴゾーム液内での溶解現象とみなせるので、ZnTCPの吸収性低下は、ZnTCPから徐放された亜鉛によって、これら吸収性細胞の活動が抑制されているために生じていると考えられる。
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野本 琢也, 山口 俊郎, 原口 圭司, 菅野 信彦, 関野 徹, 新原 晧一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
In vivo試験より、リン酸カルシウム骨セメント(CPC)にallograftを添加したCPC-allograft compositeはAllograftだけでなくCPCも大部分が吸収された。このメカニズムに関する知見を得るために、本研究では、子ウシ血清および生理的食塩水に浸漬したCPC-allograft compositeの加水分解反応を詳細に検討した。
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川下 将一, 標葉 亮, 小久保 正, 井上 好明, 荒木 則雄, 永田 靖, 平岡 真寛, 澤田 良樹
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17
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
多量のイットリウムを含む、化学的耐久性に優れた、直径20∼30μmのセラミック微小球は、がんの放射線治療用材料として有用である。本研究では、酸処理されたY
2O
3微小球のpH6及び7の緩衝生理食塩水中における化学的耐久性を調べた。その結果、酸処理されたY
2O
3微小球は、pH6の緩衝生理食塩水中に浸漬されても、Yをほとんど溶出しなかった。以上より、酸処理されたY
2O
3微小球は放射線治療に有用であると期待される。
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石川 邦夫, 宮本 洋二, 湯浅 哲也
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
アパタイトセメントは焼結体アパタイトに比較して骨芽細胞分化促進能に優れることがわかっている。本研究においてはその機序に関する知見を得ることを目的にアパタイトセメントおよび焼結体アパタイトの細胞培養液中での挙動を検討した。アパタイトセメントを細胞培養液中に浸漬すると細胞培養液中のカルシウムイオン及びリン酸イオンが減少し、アパタイトセメント表面に骨様アパタイトが析出した。一方、焼結体アパタイトではカルシウムイオン及びリン酸イオンの減少が限定的であった。骨様アパタイトの形成が骨芽細胞分化促進能に関与している可能性が示唆された。
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相澤 守
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
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患者個人のニーズにあった生体活性テーラードマテリアルを開発するために、以下の2種類の材料、すなわち、(i)皮質骨と調和した力学特性をもつ水銀アパタイト(HAp)/ポリマーハイブリッド材および(ii)骨侵入可能な細孔構造をもったHAp/リン酸三カルシウム(TCP)コーティング材、を創製した。実験動物として、ウサギを用いたin vivo評価からこれらの材料が生体骨と直接結合する生体活性を揺することが明らかにされた。この結果を細胞レベルで理解するために、骨芽細胞によるin vitro評価を行なったところ、両材料いずれも骨芽細胞への分化誘導能を有することが分かった。この分化誘導能がin vivoにおける生体活性を導くものと考えられる。
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岩田 憲幸, 徳岡 由一, 川島 徳道
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
生体活性材料であるディオプサイド(CaMgSi
20
6)をアルコキシド法で調製した場合、比較的低温で結晶化する。しかし、各金属アルコキシドの加水分解速度が異なるため系の均一性が低い。この問題の改善には金属アルコキシドと無機塩の併用が有効である。本研究では、金属アルコキシドと無機塩を用いた種々の液相反応によりディオプサイドを調製し、熱的特性が結晶性プロセスに与える影響および生体活性について比較検討した。粉末X線回折を行ったところ、乾燥粉体は、いずれもアモルファスであり、アルコキシド法よりもさらに低温でディオプサイドに結晶化した。これは乾燥粉体から無機ガスの放出が結晶核形成を促進したためと考えられる。さらに、作製したディオプサイド焼結体は、疑似体液(SBF)中で表面にアパタイト層が形成され、浸漬期間の増加に伴いアパタイト層の成長が確認された。
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籔田 武司, 都留 寛治, 早川 聡, 尾坂 明義, E. Bescher, J.D. Mackenzie
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
焼結アパタイト等のリン酸カルシウム系セラミックス多孔体は、その気孔内部への欠陥や細胞等の進入·増殖が期待されるために、新規な人工骨や組織工学用の足場材料として研究が進められている。しかし、柔軟性にかけるために応用範囲に制限がある。もし、多孔体で柔軟性を有し、かつ骨や組織と親和性の高い材料が創製できれば、骨代替材料のみならず柔軟な組織をも置換できる高生体親和性インプラント材料としての応用が期待される。これまでの研究で, シリカ成分を高分子成分で修飾して得られる有機修飾シリケート材料(Ormosil)にカルシウムイオンを導入することにより, 擬似体液に浸漬すると試料表面上でアパタイトを形成することが既に報告されている。そこで本研究ではOrmosilの多孔化を試み, 得られた多孔質ハイブリッドのin vitro生体適合性を評価した。
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川崎 秀一, 城崎 由紀, 都留 寛治, 早川 聡, 尾坂 明義
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
我々の研究室では, 過酸化水素水溶液をベースに用いた化学処理法で金属チタン表面に酸化チタン層を形成し, そのin vitro生体適合性評価として, 擬似体液中におけるアパタイト析出能を詳細に検討してきた。本研究では金属チタンおよびこれに各種酸化処理を施したものを試料としてMC3T3-E1を用いた細胞適合性評価を行い, 擬似体液中におけるアパタイト析出能との関連を調べた。細胞培養には骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を用い細胞数およびALP活性をもとめ, 細胞適合性を評価した。擬似体液中における酸化チタンのアパタイト形成能力とMC3T3-E1細胞の増殖·活性との間に直接的な関連性を見いだすことができなかった。
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芦澤 宏明, 大場 陽子, 坂井 悦郎, 大門 正機
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
チタン基板を, Cacl
2を含むKOHとともに150℃で24h反応させてCaTiO
3層を析出させた. この試料をpH1.8-3.8のHCl水溶液とともに20-220℃で24hの多孔化処理を行った. HCl水溶液のpHが2.6以下, または処理温度が120℃以上の条件で作製した試料はアナターゼが生成した. アナターゼが生成した試料は成膜前における基板の250∼350倍の表面積をもつことがわかった. 多孔化された試料は擬似体液中でのHAp析出量が大きな値を示し, また, 多孔化された試料の単位表面積あたりにおける析出量は, ほぼ一定(約1.1μg/cm
2)であった. これらの結果よりCaTiO
3の分解によって多孔化されたアナターゼが生成することによって, HAp析出量が増加すると考えた.
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赤井 智子, 陳 丹平, 増井 大二, 矢澤 哲夫
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
廃ガラスからアルカリや金属を脱離しリサイクルする方法について検討した。廃ガラスを微粉砕もしくはホウ酸を加えて再溶融した後に酸処理を行うことで、アルカリや金属の脱離が可能であった。この処理によって得られたガラスの化学組成の分析も行った。
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— KOHまたはNaOHを用いたアルカリ融解による回収プロセスの検討 —
森 英嗣
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、KOHまたはNaOHを用いたアルカリ融解法による二酸化ケイ素の回収プロセスを確立し、産業廃棄ガラスの新しい再利用方法として廃棄着色ビンにこのプロセスを応用し、その応用可能性を明らかにした。廃棄着色ビンとして緑、青、黒または茶色のビンを選択し、回収プロセスを適用した結果、これらのビンからは純度99.9%の二酸化ケイ素が回収できた。また、回収された二酸化ケイ素の収率は97-98%であった。これらの結果より、本研究で確立したプロセスは廃棄着色ビンの再利用方法として適用可能であることが明らかにできた。とくに、KOHを用いた場合では、NaOHのアルカリ融解に比べて溶融温度を下げる効果があり、今後、プロセスが適用された際、少ない熱エネルギーで産業廃棄ガラスから二酸化ケイ素を回収できることが期待できる。
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戸谷 友宏, 亀島 欣一, 岡田 清, 安盛 敦雄
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
蛙目粘土を水簸する際にキラと呼ばれる廃棄物が発生する。キラは石英と少量の粘土を含んでいる。本研究ではキラを用いて建材用の結晶化ガラスの作製を試みた。キラにCaCO
3を混合し、得られた混合粉体を溶融急冷してガラスを作製した。作製したガラスを粉砕し、熱処理して結晶化ガラスを作製し、諸性質を調査した。ガラス中にβ-ウォラストナイトが短時間で析出し、アノーサイトは長時間の熱処理により析出した。また、ガラスの粒径を細かくすると、低温でもα-ウォラストナイトが析出しやすくなった。結晶化ガラス中でのβ-ウォラストナイトの生成率は約40-60mass%、アノーサイトは約2-8mass%であった。
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小山 秀美, 田中 実, 大久保 一宏, 鈴木 蕃
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ガラスカレットとコンクリートスラッジを主原料とした結晶化ガラスの作製を検討した。調合は質量比で、ガラスカレット50∼80、コンクリートスラッジ20∼50、アルミナ0∼30、硫化鉄0∼4、硫酸ナトリウム0∼4、グラファイト0∼1の組成範囲で秤量、撹拌混合しバッチとした。還元性雰囲気1450℃、2時間溶融し、鉄板上に流しガラスを成形した。その後850℃、1時間保持して結晶核形成させ、1100℃、2時間保持して結晶化ガラスを作製した。結晶化ガラスは、ウォラストナイトを主結晶とした結晶化ガラスであった。この結晶化ガラスは廃棄物を95%以上利用しても、強度などの特性が高いものであった。
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笈田 幹弘, 前浪 洋輝, 井須 紀文, 久野 裕明, 石田 秀輝
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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水熱固体による鉛の固定化の可能性を明らかにするために、都市ゴミ焼却飛灰からの鉛の溶出量に及ぼす水熱固化処理温度及び時間の影響を検討した。その結果、処理温度及び処理時間の増加に伴って鉛の溶出量が概ね減少した。オートクレープ処理中に鉛が処理水の方へ溶出することはほとんどなかった。したがって、鉛は水熱固化によって固化体中に固定化されたと考えられる。鉛を固定化している鉱物は、SEM-WDXにより同定した。
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後内 麻里, 坂本 尚史
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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汚泥焼却灰はSi, Al, Feなど粘土鉱物の生成に適した成分を含んでいることから, 水熱処理をすることにより汚泥焼却灰から粘土鉱物やゼオライトなどが生成することが期待される. 今回は, 汚泥焼却灰を水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム, 塩酸, 塩化マグネシウム, 塩基性炭酸マグネシウム, 塩化アルミニウム, およびアルミン酸ナトリウムなどの溶液を用いて, 処理温度150∼250℃, 処理期間1∼10日で水熱処理を行った. 得られた生成物をX線回折によって同定した結果, スメクタイト, カオリナイト, バーミキュライト, 雲母粘土鉱物, スメクタイト-バーミキュライト混合層鉱物およびゼオライトの生成が認められた.
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稲田 幹, 江口 ゆかり, 上原 雅人, 榎本 尚也, 北條 純一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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石炭フライアッシュはシリカとアルミナを含んでいるため, アルカリ処理によりゼオライトに転換できる。7種類の石炭フライアッシュを2.0M NaOH水溶液と混合し, 約100℃で5h加熱した。XRDより, 生成物はzeolite Na-Pとzeolite NA
ex K-Fであることがわかった。ゼオライトの生成量はフライアッシュ中の非晶質量に依存していた。高Si/Al比, 小粒径で非晶質含有量の多いフライアッシュから、高機能のゼオライトが生成することがわかった。
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宮路 史明, 村上 崇, 陶山 容子
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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フリー
産業廃棄物である石炭灰(FA)を水酸化カリウム(KOH)溶液によって処理した場合の生成物を系統的に調べた。本実験条件下ではリンデFゼオライトのみが生成した。FAを2gとしたとき、同ゼオライトは反応時間48時間、反応温度95℃、KOH濃度8mol dm
-3、KOH量50mlで最高の生成量を示した。このとき、SEM観察によれば、FAの球状粒子は完全に溶解消失し、幅0.5∼2.0μm、長さ1∼数μmのリンデFゼオライト柱状結晶が見られた。試料の比表面積及び陽イオン交換容量は、それぞれ20.2m
2/g、2.3meq g
-1であった。
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高橋 寛, 服部 敏裕, 松田 元秀, 三宅 通博
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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資源有効利用の観点から廃棄物の再資源化が強く求められている。我々の使用している鉄含有廃棄物はイオン交換能を持つハイドロタルサイト様化合物に転化可能であり、得られた生成物は硝酸イオンやリン酸イオンを水中から除去する機能を有していることがわかった。
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虎澤 雅寛, 笹井 亮, 伊藤 秀章, 柴口 勝也
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33
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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無機系固体産業廃棄物として砂利プラント廃泥、有機系固体産業廃棄物としておが粉、粘結材として粘土を加え、焼成することにより炭素—セラミックス複合多孔体へと再生するために、賦活剤としてK
2CO
3、KOH、NaOHを添加して熱処理を行った後、残留したアルカリを取り除くため酸洗浄を行った。メチレンブルー吸着等温線の測定から、賦活剤添加により賦活剤を加えない試料に比べMB吸着能が大幅に吸着能が向上した。また、陽イオン交換能の低い粘結材を用いることにより、賦活効果が増大し、MB吸着能が向上することが明らかとなった。
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井元 晴丈, 坂井 悦郎, 大澤 栄也, 大門 正機
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34
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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セメント製造で発生する二酸化炭素排出量の削減対策として混合セメントが注目されている。ここでは, 様々な混和材を混合セメントの, 水和反応や水和収縮におよぼす混和材の種類の影響について検討を行った。高炉セメントの水和収縮は, 他のセメントに比べ大きな値を示すが, これは, スラグが反応することによると思われる。フライアッシュセメントの場合では, 他のセメントよりも小さな水和収縮を示すが, これは, フライアッシュが7日までは反応性を示さないことによると思われる。
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安藤 由香里, 田中 拓史, 笹井 亮, 伊藤 秀章
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35
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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シリコンウェハー研磨用使用済み炭化ケイ素(SiC)研磨粉をリサイクルするため、N
2雰囲気下で使用済みSiC粉の熱処理を行った。その結果、使用済みSiCに含まれるSi屑とN原子からなるウィスカーの生成が確認された。よって、使用済みSiC粉をN
2雰囲気下で処理することにより、焼結後ウィスカーによる高靭化が期待できる焼結原料として再生できることがわかった。
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森 保樹, 笹井 亮, 伊藤 秀章, 小島 隆
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36
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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イットリア安定化ジルコニア(Y-TZP)は、熱水中でその機械的性質が大幅に低下することで知られ、水熱処理による破砕が可能である。本研究では、この処理の低温化及び時間の短縮をめざし、処理溶媒として酸性水溶液を用いた場合のY-TZPの崩壊過程に及ぼす影響について検討した。その結果、塩酸及び硝酸での処理では安定化剤の抽出によって相変態を促進し、焼結体は純水の場合よりもより細かく破砕された。
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吉越 大之, 井手本 康, 小浦 延幸, J.W. Richardson, C.K. Loong, 竹内 謙
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37
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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強誘電体メモリ(FeRAM)用材料として考えられているPbZr
xTi
1-xO
3は、熱処理を行うことにより強誘電特性が変化することが知られている。これらの要因として熱処理による結晶構造の変化、鉛の欠陥、酸素ノンストイキオメトリーなどが考えられる。そこで本研究では熱処理によるPbZr
xTi
1-xO
3(x=0.40, 0.45, 0.53)の物性、結晶構造と強誘電特性の関係をバルク体を用いて検討し、強誘電特性を支配する因子について考察した。試料(x=0.40, 0.45)は共に、高酸素分圧熱処理をすることにより残留分極(Pr)は向上し、真空熱処理を行うことによりPrは減少した。高酸素分圧熱処理を行った試料(x=0.40)について結晶構造より求めた自発分極値も増加する傾向が見られたが、構造モデルが若干異なる試料(x=0.45)においてはやや異なる傾向がみられた。そこで、組成により熱処理の依存性に違いがみられるかについて、結晶構造解析を行い強誘電体特性との関係を含めて検討した。また、x=0.40の抗電界(Ec)およびキュリー温度(Tc)は、高酸素分圧熱処理では高くなり、真空熱処理では低くなった。これらは酸素欠損と関連していると考えられる。
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明石 孝也, 鈴木 道生, 山根 久典, 後藤 孝
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38
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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SrO-Ta
2O
3-Pr
2O
3系化合物を固相反応法により合成した. SrTa
4-yO
15-dやPrTa
3O
9を含む二元系化合物を合成したが, 三元系化合物の存在は確認できなかった. Sr
5Ta
3.8O
14.5の電気伝導度は水蒸気分圧に依存し, プロトン伝導性が示唆された. 活性化エネルギーは高温と低温で異なり, 伝導機構が異なると考えられる. また, PrTa
3O
9の電気伝導度は酸素分圧に依存せず, イオン伝導の挙動が認められた.
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佐々木 厳, 右京 良雄, 須田 明彦, 杉浦 正洽, 黒田 光太郎, 荒井 重勇, 坂 公恭
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39
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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酸素貯蔵材料として注目されているCeとZrが規則配列したCe
2Zr
2O
7+x(0≤x≤1)における酸素吸収挙動を熱重量分析によって検討した。その結果、Ce
2Zr
2O
7.5組成に準安定な中間相が存在することが示唆された。粉末X線回折や電子回折の測定結果から、この中間相は空間群F43mに属し、パイロクロア構造のCe
2Zr
2O
7の規則配列化した酸素欠損の半分に酸素イオンが一つおきに充填された構造であることが明らかとなった。
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徐 元善, 李 映虎, 李 明顕, 谷 俊彦, 河本 邦仁
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40
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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(ZnO)
mIn
2O
3(m=定数)は酸化物熱電材料として優れたn形熱電物性を持つ[1]と共に、ITOに次ぐ透明導電体として期待されている。本研究では、板状酸化亜鉛前駆体粉末とIn
2O
3粉末を用いてReactive Templated Grain Growth法によりc軸配向(ZnO)
5In
2O
3セラミックス[2]を作製する際の反応過程を観察し、解析した。即ち、ZnOとIn
2O
3の反応により(ZnO)
mIn
2O
3(m=5∼∞)セラミックスが生成する過程のHRTEM観察とImage simulationを通して、ZnOのブロックの中に存在するInイオンの挙動を調べた。
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柳瀬 郁夫, 玉井 幸子, 小林 秀彦
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41
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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Ba, Sr部分置換した立方晶系Cs-リューサイト化合物を多段階焼成法によって合成した. 合成した立方晶系Cs-リューサイト化合物の1173Kにおける熱膨張率はBaあるいはSrの置換量の増大に伴って減少した. 合成したCs
0.675Sr
0.1125Al
0.9Si
2.10
6は1173Kで約0.11%の熱膨張率を示し, CsAlSi
20
6よりかなり小さかった. 熱膨張率は298Kでの格子内空隙率の増大とともに減少した.
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向井 一夫, 小川 光恵, 福井 武久
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42
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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熱膨張率標準物質を開発するため、JFCCが供給しているジルコニア焼結体リファセラムZR1を候補材料とし、適性評価を行った。複数の焼結体から試料を取り出し、室温∼1200℃において熱膨張率測定を行った結果、リファセラムZR1は測定試料間のばらつきが小さいことが確認され、均質性に優れていることが明らかになった。また、試料に熱履歴を与えたり、高温で数時間保持したりしても、熱膨張率に大きな変化は見られず、十分安定と思われる。これらの結果より、ZR1は熱膨張率標準物質として適していると判断される。
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澤井 洋祐, 小野 晃明, 伊岐見 将之, 桜田 修, 橋場 稔
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43
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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チタン酸アルミニウム(TA)焼結体は熱膨張の異方性のため発生する微細亀裂により低熱膨張性を有する材料であるが強度は低い。本研究ではTAに高強度のムライトを異なる組成で複合した試料を作成し、AE法で評価した。試料を環状炉で1200℃まで加熱した後、自然冷却した。冷却中、1200℃を基準とした膨張率の変化を変位計で、発生する微細亀裂をAEセンサーで計測した。AE波はパソコンに取り込んで30秒間毎のイベント数のカウントおよび従来の原波形の周波数解析より進んだ時間-周波数解析をおこなった。TAの比率が高いものほどAEカウントピーク発生温度が高く基準温度との差が小さいことから強度が低いと考えられる。このことは3点曲げの結果とよく一致した。
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金 剛, 竹内 誠, 本多 沢雄, 西川 直宏, 淡路 英夫
p.
44
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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熱応力緩和型傾斜機能材料(FGM)は, セラミックスから金属への組成を連続的に変化させることにより, 熱応力緩和を図った新しい耐熱材料である. しかし, 積層法により作製されたFGMには, 焼結時残留応力が生じ, また, このような残留応力はin-service熱応力に重なって, 材料に大きな損害を与える可能性もある. 本研究では, ムライト/モリブデン系のFGMを粉末積層法によりつくる時FGM平板に生じる残留応力及び熱衝撃を受ける時のFGM平板に生じる温度分布, 熱応力分布を同時に解析し, 残留応力の熱衝撃とき全体応力分布へ与える影響についても考察した.
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牧野 琢磨, 島田 暁, 梶田 雅晴, 奥野 晃康
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45
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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βアルミナの高温強度特性を他の機械的特性及びイオン伝導性と比較し、その温度依存性の発現機構を検討した。強度は200℃までの低下が大きく初期強度の60%程度まで低下し、その後低下は緩やかになった。破壊靭性も同様の傾向を示す。また、ヤング率に比べ有効破壊エネルギーの低下が大きいことから、有効破壊エネルギーの低下が強度低下の主要因と考えられた。イオン導電率の温度依存性は250℃近傍で変曲点が認められ、強度の低下傾向と対応している。250℃までは温度の上昇に伴い空孔の移動度が上昇するため、ナトリウムイオンが動き易くなりイオン導電率が上昇し、イオン伝導面における結合力が低下するため、強度が低下すると考えられる。
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宇都野 太, 安井 至
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46
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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分子動力学法は、原子レベルで結晶成長の動的観察できる手法である。我々はMgO融体からの結晶化過程をMDシミュレーションによって調べている。MgOは融体から融点近傍である2800K前後で結晶化の観察が可能な系であることを示した。様々な条件でMgOの結晶化挙動を調べ、特に結晶化の初期段階を注目している。MgO融体を温度一定の条件で結晶化を行いその結晶化挙動の観察と、さらに、Mgの一部をCaで置換してCaイオンが結晶化に与える影響を調べた。
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菅原 一文, 田中 諭, 内田 希, 植松 敬三, 篠原 祐治, 上原 正光
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47
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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非酸化物系セラミックスであるSi
3N
4、SiCは酸化により表面にSiO
2が生成するとされている。そして、この表面酸化物層は焼結に際して重要な役割を果たすとされているが、表面酸化物層の定性的、定量的分析法に関する報告は少ない。従来、表面酸化の度合いは、主に重量変化によって定量されてきたが、この方法では酸化状態の評価には十分とは言えなかった。そこで本研究では浸漬熱を用いて直接的に表面の酸化状態を評価することを目的とした。
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(撹拌翼回転速度の影響)
桜井 智宏, 森 英利, 椿 淳一郎
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48
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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セラミックス成形体の仕上がりを予測するためには見かけ粘度や充填率等、スラリー物性の評価が必要である。本評価では、超音波減衰法を用いたスラリー評価において、試料の撹拌翼回転速度が減衰率におよぼす影響を評価し、スラリー評価条件の最適化を行ったので報告する。
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津越 敬寿, 長岡 孝明, 渡利 広司
p.
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発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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アルミナセラミックス製造時に用いられるバインダー材料や気孔形成材の熱分解過程の解析について, 発生気体分析-質量分析法(EGA-MS)を用いて行い, 熱分解温度の差や分解発生ガス成分の定性により, 熱分解機構に関する知見を得た.
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堀田 禎, 中平 兼司, 阿部 浩也, 内藤 牧男, 高橋 実, 加藤 善二, 植松 敬三
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50
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
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鋳込み成形は、セラミックス産業で幅広く普及している標準的な製造プロセスである。しかし、焼結体の破壊源生成過程の解明などの基本的な課題が残っており、鋳込み成形プロセスの解明が必要である。本研究では、鋳込み成形プロセスにより、極微量粗大凝集粒子を添加したアルミナ焼結体を作製し、成形体·焼結体に及ぼす粗大凝集粒子の影響を検討した。得られた焼結体の密度、4点曲げ強さ等を測定した。さらに、SEMによる破壊源や微構造観察、顕微鏡による内部構造観察を行うとともに、成形体内部構造観察も行った。得られた成形体及び焼結体の密度は, 添加した粗大凝集粒子サイズによらずほぼ同じであった。一方強度は、添加した粗大凝集粒子サイズが大きいほど低下した。この強度と微構造や内部構造との関係について検討した結果を当日報告する。
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