抄録
我々の研究グループは、室温においてLnBa2Cu3O7-δ(Ln:希土類元素)セラミックスの線材に閾値以上の直流電圧を印加すると、線材の一部分のみが赤熱する現象を見出し、これをホットスポット現象と名付けた。最近、ホットスポットに関する新規物性として、低酸素分圧下でホットスポットを発生させると、超低周波の振動電流が発生する現象を見出した。本研究では、振動電流の発生機構を調査することを目的とした。その結果、本現象は、線材中に存在するPTCRおよびNTCR領域の温度が増減を繰り返すことによって、線材全体の抵抗が変化することに起因すると考えられる。