SiCにBNを添加して得られたホットプレス焼結体を焼結後、焼結温度と同程度の温度で熱処理することで抵抗率1010Ω・cm以上の絶縁体に近い特性を持つ大型(直径 370mm)のSiC焼結体を得た。この焼結体は粒界に不純物相が存在しないことから、添加したBNからB,N 双方がSiC結晶粒に固溶し、ドナーとキャリアの補填効果により絶縁体に近い特性が得られていると考えられた。焼結体の組織観察や熱処理条件を変えて作製した試料の電気的特性を調べた結果から、熱処理温度や焼結体の微細構造によりB,N の固溶状態が変化し、誘電率や誘電損失値などの電気的特性が変化することが分かった。