抄録
本研究では,陽極酸化法を用いてネサガラス上に多孔質Al酸化皮膜を形成し,機能材料として応用することを目的とする. 真空蒸着法によりネサガラスの導電面 ITO 上にAlを蒸着したところ,両者の密着性が良くないことがわかった. そこでネサガラスを300℃で加熱しながらAlを蒸着したところ,両者の密着性が改善された.この試料を様々な条件で陽極酸化したところ,電解液に硫酸10vol%水溶液を用い, 電圧10V, 液温25℃の条件の場合に,処理中に皮膜が隔離することなくほぼ全てのAl をAl酸化皮膜に変化させることに成功した.