抄録
ナノメーターサイズで一次元の貫通気孔を持つ膜を多孔質基材上に形成する新しい方法、「同時エッチング法」を開発した。分相処理を施した緻密質のバイコールガラスから直径20mmφ、厚さ 1mmのディスクを切り出し、片面を鏡面研磨したものを基材として用いた。基材上に共晶分解法でFe2O3一次元針状ナノ結晶とそれを取り囲むSiO2マトリックスから成る前駆体膜を作製し、膜と基材を同時にエッチングした。その結果、基材が多孔質化できると同時に膜も多孔質化され、膜面に垂直な一次元ナノ貫通孔を持つシリカ膜が得られた。