抄録
p型熱電材料Ca3CO4O9は、電気伝導率の異方性が大きいため、この物質をバルク素子として実用化するためには多結晶の粒子配向技術が鍵となる。ミスフィット型層状構造を有するCa3Co4O9のCdl2型CoO2副格子層に着目し、これと相似構造を持つCo(OH)2板状粒子を炭酸カルシウムと混合しテープ成形後に熱処理することにより、高配向度のCa3Co4O9セラミックスを作製した。反応性テンプレートCo(OH)2と補完原料CaCO3のin-situ反応過程をTG-DTAと高温X線回折法により調べたところ、スピネル型Co3O4を経てCa3Co4O9が生成することがわかった。