抄録
我々は光照射を利用したリサイクルしやすいガラスの着色技術の開発を目的として、 Agを微量に含むガラスに光照射-熱処理を行うことで可逆に着脱色ができることを示してきた。しかし一つの組成のガラスからは一つの色しか着色できないという大きな問題があった。そこで、フェムト秒レーザーを照射するとガラス中のAg微粒子が変形しスペクトル形状が変化するという報告に着目し1)、試料作製条件を最適化し、同一組成のガラスから照射条件を選ぶことで多色の着色を生じさせることを試みた。その結果、イオン交換-熱処理によって黄色く着色したガラスに異なる条件でレーザー照射を行うことで、赤色、青色が生じることを見いだしたので報告する。