抄録
対向するコバルト添加ZnO単結晶間に,粒界層としてビスマスホウ酸塩系ガラスを挟んだバイクリスタル型バリスタ素子を作製した。その結果、立ち上がり電圧が3?で,非線形係数αが30という特性を示す素子を実現した.そのC-?特性よりバイクリスタル両側に空乏層が形成されていることが確認され,DLTS法により0.28 eVと0.9 eVの準位が検出された。このことより界面準位により空乏層が形成されたことが確認された。片側にのみ空乏層が形成されているバイクリスタルでは、I-V特性が空乏層の存在する側で高αをしめしたが存在しない側では低αとなった。このことは高α実現のためには空乏層が必要であることをしめすと同時に空乏層以外にも導電メカニズムが存在する可能性を示唆している。