抄録
多孔質セラミックス材料は、耐熱性、耐食性などが優れていることから、フィルターや触媒担体など環境分野において広く用いられている。本研究では、セラミックスに対して造孔剤としてPMMA粉末を加え、遠心モールド法により厚さ方向に気孔量の傾斜した中空円筒多孔体を作製する。遠心モールド法では、両粉末の密度差により造孔剤の分布を傾斜させることができ、密度の低いPMMA粉末が内側に多く分布するような多孔質材料が作製できる。このことにより円筒の内側では高い集塵性を持たせることが可能となる。遠心モールド法により作製した試験片の気孔分布状態の評価を行い、空気透過率、強度に及ぼす影響を考察する。