日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第17回秋季シンポジウム
選択された号の論文の681件中1~50を表示しています
  • 小俣 孝久, 野口 慶之, 松尾 伸也
    セッションID: 1N01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ペロブスカイト型高温プロトン導電体であるSr(Zr1-xMIIIx)O3-d (MIII: Sc, In, Lu, Y, Gd)を作製し赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果、OH伸縮振動は3300, 3030, 2450, 1900cm-1付近の4箇所に現れた。高波数の2本はドーパントとジルコニウムに挟まれた酸素に結合したプロトンに、低波数の2本は2個のドーパントに挟まれた酸素と結合したプロトンに帰属された。Lu, Y, Gdをドープした試料では、ドープ量がごく僅かな組成でも低波数のOH振動が観測された。これらから、Lu, Y, Gdをドープした試料ではドーパントがクラスタリングしていることが示された。
  • 堀 幹裕, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 1N02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    固体酸化物形燃料電池の低温作動時の界面抵抗の低減を目指して、酸化物イオン・電子混合導電体をカソード電極として用いた。混合導電体である(La,Sr)(Co,Fe)O3wo通常の固相法により合成した。XRDパターンの測定、RIETAN-2000によるリートベルト解析により合成された電極粉末の結晶構造を確認した。また、Ce0.8Sm0.2O1.9電解質ペレットの両面に電極粉末を焼付けることで対称電極セルを作製し、交流インピーダンス測定による界面抵抗の評価を行うことで、高い酸化物イオン導電率を持つ組成の(La,Sr)(Co,Fe)O3ほど界面抵抗が減少し、電極の剥離が増加することを確認した。
  • 鱒渕 友治, 樋口 幹雄, 武田 隆史, 吉川 信一
    セッションID: 1N03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    オキシアパタイト構造を有する、酸素イオン伝導性希土類ケイ酸塩の粉末中性子線回折および単結晶X線回折を用いて結晶構造解析を行った。イオン伝導の異方性に対応して、導電酸素イオンは温度因子に大きな異方性があることが明らかとなった。さらに構造中の陽イオン欠損の存在下で、その温度因子はより大きな異方性を有していた。また単結晶X線構造解析でも同様の結果が得られた。この異方性は陽イオン欠損によって、周囲のSiO4のO原子にゆらぎが生じ、チャンネル内の酸素イオンに影響を与えているためと考えられる。
  • 松田 元秀, 井原 公平, 小林 桂, 中村 栄三, 三宅 通博
    セッションID: 1N04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    発表者の研究グループは、近年その開発研究動向が注目されている低温作動型固体酸化物燃料電池における電解質(La, Sr)(Ga, Mg)O3|電極(La, Sr)CoO3界面反応を検討している。これまでの検討によれば、空気極から電解質へのCoの選択的な拡散が観察されている。本研究では、電解質(La, Sr)(Ga, Mg)O3中でのCoの拡散挙動について二次イオン質量分析装置を用いて評価・検討した。講演では、拡散プロファイルから見積もられたCoの粒内及び粒界挙動を示す予定である。
  • 西野 華子, 柿沼 克良, 山村 博, 野村 勝裕
    セッションID: 1N05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    蛍石型類似構造を有するパイロクロア型組成(ASUB2/SUBBSUB2/SUBOSUB7/SUB)酸化物に注目して、陽イオン半径比の変化と結晶構造、酸化物イオン伝導についての相関を検討している。これまでの研究から、単位格子自由空間とイオン伝導の間に密接な関係があることを見出した。しかしながら、伝導度の値には若干のばらつきが認められた。これは他の因子が複雑に絡み合っていることが推定される。そこで本研究では、ある因子を一定に保った系について酸化物イオン伝導度の変化の検討を行った。またASUB2/SUBBSUB2/SUBOSUB7/SUB組成を有するLaSUB2/SUBCeSUB2/SUBOSUB7/SUBに、異原子価酸化物及びフッ化物を置換固溶することで結晶格子体積を変化させ、そのイオン伝導との相関を検討した。
  • 多田 篤, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 1N06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    高い酸化物イオン伝導特性を示すLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O2.85と同元素から成り、且つ類似構造を持つLaSrGa1-xMgxO4-dは高い酸化物イオン伝導特性の発現が期待される。LaSrInO4のMg置換試料は、Inのイオン半径がGaより大きいことから、格子体積の増加による酸化物イオン伝導度の向上が見込まれる。本稿では、LaSrGa1-xMgxO4-d(0 ≤ x ≤ 0.15)およびLaSrIn0.8-yGa0.2MgyO4-d(0 ≤ y ≤ 0.15)の合成と酸化物イオン伝導特性について検討したので報告する。
  • 梶谷 昌弘, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 1N07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    寛容性因子はペロブスカイト型酸化物イオン伝導体を設計する重要なパラメータと考えられている。La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O2.85は高速酸化物イオン伝導性を示し、寛容性因子は0.959である。我々はLaサイトへGdを、GaサイトへAlを置換することで寛容性因子を制御し、高い酸化物イオン伝導体を合成することを試みている。本稿では、寛容性因子と酸化物イオン伝導体との関係について報告する。
  • 細見 拓志, 村田 憲司, 福井 武久, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 1N08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    我々の研究グループは、電気泳動堆積法を用いて低温作動型SOFCを作製し、得られたセルの発電性能を検討している。これまでに、LSGM電解質を用いた電解質支持型SOFCの作製及び発電性能について報告した。本発表では、NiO-YSZアノードを基板とした電気泳動堆積法によるYSZ電解質の薄膜化プロセス及び作製されたセルの発電性能について報告する。
  • 堀田 歩, 今井 八郎, 岡本 崇, 谷口 俊輔, 近野 義人, 伊藤 靖彦, 滝沢 貴久男
    セッションID: 1N09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    固体酸化物燃料電池(SOFC)の電解質材料であるイットリア添加安定化ジルコニア(YSZ)の低温焼結を目的とし、焼結助剤の探索を行った。その結果、焼結性向上に効果があったいくつかの金属酸化物の中から、熱処理後に電気伝導性がないこと、還元雰囲気での安定性などの理由からLi2Oが有望であることがわかった。さらに、Li2O添加によるYSZの焼結機構を明らかにすることを目的とし、Li2Oの分散状態、熱処理雰囲気、Li2O添加率がYSZの焼結性へ及ぼす影響について検討した。本発表ではこれらの結果について述べる。
  • Yong-il Park, Prinz Fritz B
    セッションID: 1N10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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  • 三浦 則雄, 江藤 卓哉, 泉 順, 山崎 勇児
    セッションID: 1N11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    省エネルギーの観点から酸素分離プロセスの高効率化は重要であり、そのためには優れた酸素吸着材料が必要である。良好な混合導電性を示すペロブスカイト型酸化物は酸素イオン選択透過膜として研究がなされている。これに対して本研究では、一部のペロブスカイト型酸化物が、これまで全く知られていなかった可逆的な高い酸素吸着能を有することを初めて見出したので報告する。この可逆的な酸素吸着特性を利用すると、熱劣化の少ないコンパクトな圧力スイング法(PSA)による-高効率の酸素分離プロセスの実現が期待される。
  • 河村 浩孝, 森 昌史, 魚谷 正樹, 佐々木 一成
    セッションID: 1N12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    高温ガス炉等の非化石燃料を活用した大規模な水素製造法として、硫黄サイクルハイブリッド製造法がある。このアノード材料としは、硫酸中で高い安定性と導電性が必要である。SrTiO3+dは硫酸中において高い安定性を示すが、絶縁体である。本研究では、SrTiO3+dにAサイトに+3の希土類元素を置換し、還元してTi3+をTi4+に還元することにより導電性を発現させることを検討した。
  • 金森 智洋, 松田 元秀, 平山 成生, 三宅 通博
    セッションID: 1N13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ニッケル水素電池材料製造過程で排出される廃棄物の有効利用法として、CH4リフォーミング触媒への転化、およびその触媒性能について検討した。この廃棄物から分離された試料はCH4反応率が比較的高く、かつ、持続性が見られた。
  • 高根 朋幸, 永井 正幸
    セッションID: 1N14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    有機-無機複合電解質膜はポリジメチルシロキサン、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、亜リン酸ジイソプロピル、ケイタングステン酸を用いてゾル-ゲル法により作製した。作製試料は熱力学的不安定性によりミクロな相分離を示した。相分離試料は未相分離試料よりもプロトン伝導度が約103倍向上した。そこでマトリックスへ固定化することが困難なケイタングステン酸の代替物質として、再現性があり高プロトン伝導性を備えた特徴をもつリン酸塩ガラスのハイドロゲル添加型電解質膜について検討を行った。
  • 千葉 陽介, 永井 正幸
    セッションID: 1N15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    近年注目されている燃料電池は、高効率・低環境負荷であるために次世代のエネルギー変換システムとして期待されている。本研究では中でも直接メタノール形燃料電池用電解質膜に有機物の柔軟性・加工性と無機物の耐熱性を併せ持つ有機-無機コンポジットに注目し、プロトン伝導性を付与したGPTS(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)とSiO2ゾルを用いてゾル-ゲル法を用いて新規複合電解質膜を作製した。またSiO2ゾル表面にプロトン伝導性のスルホン基を修飾したゾル等を用いることで、プロトン伝導性に優れたGPTSとのコンポジット体を作製し、電解質膜の特性評価を行った。
  • 手塚 照明, 忠永 清治, 松田 厚範, 林 晃敏, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 1N16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4官能アルコキシシラン、オルトリン酸からなるプロトン伝導性無機‐有機ハイブリッドの薄膜化、機械的強度の付与を目的として、ガラスペーパーとの複合体膜を作製した。厚さ約40μmのガラスペーパーを用いて、約50-100μmの複合体膜を作製することができた。複合体の導電率は130℃、相対湿度7%の条件下で1.0×10-3 S cm-1と高い値を示した。これらを電解質膜として用いた燃料電池は、130℃、相対湿度7%の条件下で最大出力密度120mWcm-2を示した。また、50時間までの連続発電を確認した。
  • Fritz B. Prinz
    セッションID: 1N17
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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  • 山本 大, 金村 聖志, 武井 孝, 濱上 寿一, 棟方 裕一, 独古 薫
    セッションID: 2N01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ダイレクトメタノール型燃料電池は小型化が可能で様々なデバイスへの応用が期待されている。しかし、現在使用されているパーフルオロスルホン酸系の電解質膜は水やメタノールに浸漬することで膨潤し、メタノールの透過を引き起こすことが問題になっている。我々はこの解決法として三次元規則配列シリカ多孔体中に電解質ポリマーを導入したコンポジット型電解質膜を開発している。シリカ多孔体によりゲルの膨潤が抑制され、メタノール透過を大幅に減少させることに成功した。本研究では新規材料として注目されているポリイミドの三次元規則配列多孔体を作製し、コンポジット型電解質膜の評価を行った。
  • 石田 智彦, 金村 聖志, 武井 孝, 濱上 寿一, 棟方 裕一, 獨古 薫
    セッションID: 2N02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    固体高分子型燃料電池の高分子電解質膜として、様々な機能性を付加できるセラミックス多孔質マトッリクスと電解質高分子を組み合わせたコンポジット電解質膜が研究されている。しかし、コンポジット電解質膜は機械的強度が弱いため、通常のホットプレス法を用いて膜・電極接合体(MEA)を作製することが困難であり、また接触性も低くなる。そこで本研究では新規MEA作製法として、電気泳動法の応用を検討した。電気泳動法では膜に機械的負担がかからず、容易に電極触媒層の厚さと密度を制御することができるため、接触性が良い均一な電極触媒層を作製できると考えられる。
  • 千葉 裕人, 棟方 裕一, 獨古 薫, 濱上 寿一, 武井 孝, 金村 聖志
    セッションID: 2N03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    DMFCを実用化するためには、電解質膜がメタノールを吸収して、膨潤することにより生じるメタノールのクロスオーバーを抑制しなくてはならない。本研究グループでは、電解質の膨潤を抑制するため、シリカ多孔質膜をマトリックスとし、その中にプロトン伝導性ポリマーを導入した無機・有機コンポジット電解質膜を作製してきた。マトリックスである多孔質シリカの表面は、シランカップリング剤により様々な官能基の導入が可能である。そこで本研究ではシリカ表面にスルホン酸基を導入するための反応条件の最適化を行い、プロトン伝導性の向上を図った。
  • 吉川 大士
    セッションID: 2N04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    次世代発電システムとして注目されている燃料電池の中でも、直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、ポータブル電源あるいは移動用電源として実用化に向けて多くの研究が行われている。DMFCの電解質膜は、高プロトン伝導性・メタノール透過阻止性・形状安定性等の要求性能がある。我々はこれらを満たす電解質として細孔充填型有機無機ハイブリッド電解質膜を提案し、製膜及び性能評価を行っている。上記電解質膜製膜は、多孔質導電性材料上に無機多孔質薄膜を製膜し、その細孔内にプロトン伝導ポリマーを導入するという構成になっている。本研究の作製方法、評価結果については本発表内にて述べる。
  • 鈴木 真紀, 一瀬 智美, 山口 朋浩, 北島 圀夫, 樽田 誠一
    セッションID: 2N05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    マイカ系のセラミックスは電気的には絶縁体として知られている。これはマイカの層間イオンがカリウムイオンであり、そのイオン半径が大きいため、層間を移動できないからである。一方、イオン半径の小さなリチウムイオンが層間イオンである場合、リチウムイオンがキャリアーとなるイオン伝導性を示すことが期待される。しかし、リチウムマイカは膨潤性を示すため、バルクの結晶化ガラスを作製することは困難である。そこで、本研究では、ナノレベルに制御したリチウムマイカを含む透明な結晶化ガラスが得られる加熱条件と核形成剤の添加効果について、および得られた透明な結晶化ガラスのイオン伝導性を検討した。
  • 吉村 巧己, 魚田 将史, 藤川 大輔, 桑原 健志, 酒井 剛, 木島 剛
    セッションID: 2N06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    我々は先に2種類の界面活性剤を用いた複合鋳型法により、外径6nm、内径3nmのPtナノチューブを合成した。今回は、この還元条件を変えることにより、1次粒子径が数十ナノメートルのスポンジ状形態とレイヤー状形態を持つPtナノ構造体を合成した。
  • 西尾 圭史, 高橋 一真, 稲葉 祐介, 木練 透, 安盛 敦雄
    セッションID: 2N07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    熱電変換用Co系酸化物セラミックスの合成を放電プラズマ焼結(Spark Plasma sintering method : SPS法)を用いて行った。前駆粉体の合成には構成元素を分子レベルで均質に混合でき,均一な微結晶粒の得られる液相法(錯体熱分解法)を使用した。合成した前駆粉体から一軸加圧および放電プラズマ焼結(SPS)による緻密で配向性のある焼結体の作製を試みた。得られた試料から熱電特性・微細構造を評価し,従来の固相反応法(SSR)との違いを検討した。前駆粉体はCH3COONaまたはCa(NO3)2、Co(NO3)2・6H2Oを原料とし、クエン酸とエチレングリコールモノメチルエーテル(EGMME)の混合溶媒に溶解させ、加熱処理することで得,その前駆粉体を一軸加圧力26MPa、800℃、1分,Ar雰囲気中で焼成した。合成したNaCo2O4前駆粉体は約1μmの微細かつ均一な結晶粒であった。また、放電プラズマ焼結後のNaCo2O4セラミックスは配向度60%以上を示し、理論密度に対する相対密度が98%であり、電力因子6.2μW/cmK2であった。
  • 野尻 能弘, 小路 公博, 大瀧 倫卓
    セッションID: 2N08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    一般的な固相反応法によるNaCo2O4焼結体の合成において、Naが示す大きな非化学量論性は、熱電変換材料などへの応用において重大な問題となっている。特に、粒界に偏析した非晶質のNa種はXRDでは検出できないため、X線的には単相試料であっても、粒界のNa種と結晶格子内部のNaとの量的関係には不明な点が多い。本研究では、NaCo2O4焼結体の固相合成における雰囲気や熱処理時間とNa非化学量論性の関係を詳細に検討した。800℃焼成、900℃焼結の条件では、熱処理時間が3hでは導電率が低下し、粒界への非晶質Na種の偏析が示唆された。一方、24hの熱処理ではCo3O4が副生し、単相試料は得られなかったことから、結晶格子内部からのNaの脱離が示唆された。
  • 野村 隆史, 太田 慎吾, 太田 裕道, 河本 邦仁
    セッションID: 2N09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    我々はSrTiO3単結晶のキャリア輸送特性を測定・解析し、600K付近でキャリア散乱支配因子が極性光学フォノン(POP)から音響フォノン(AP)に変化することを見出した。このオリジンを調べるため、非縮退半導体TiO2単結晶のキャリア輸送特性を測定した結果、600K付近でSrTiO3同様の支配因子変化が認められた。イオン性の強いTi-O結合由来のPOPの寄与度が600K以下の低温で大きく(_から_50%)、それ以上では典型半導体同様のAPのみに変化すると結論できる。
  • 大瀧 倫卓, 甲斐田 稔
    セッションID: 2N10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    酸化物熱電変換材料は、その環境適合性と特異な熱電物性のために近年注目を集めているが、特にn型材料の性能が十分ではなく、新規材料の開発が切望されている。本研究では、Aサイトが擬一次元的な八面体鎖を形成するAMO4型低次元酸化物を合成し、部分置換などによる熱電特性の向上を検討した。
  • 脇原 將孝
    セッションID: 2N11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    リチウムマンガンスピネル酸化物LiMn2O4はリチウムイオン電池用正極活物質として注目されている。この母構造のマンガンの一部をさらに安定な結合を形成する金属で置換すると、4V領域でのサイクル特性の向上とともにMnの電解質への溶解も抑えられることがわかっている。一方LiNi0.5Mn1.5O4に代表されるスピネルは5V領域を形成し、秩序型構造をとることが明らかになった。さらに酸素分圧を制御し格子欠陥を導入すると無秩序型構造に変化するとともに充放電出力特性が向上することが明らかになった。分子動力学法により求めたクーロンポテンシャルは無秩序型構造でのリチウム拡散がより容易であることを示し、計算結果は実験事実を支持することになった。
  • 市川 哲人, 西山 伸, 服部 豪夫
    セッションID: 2N12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    熱電材料への応用を目的として、欠陥型パイロクロア構造を持つAgSbO3 にCuOを添加した試料の電気伝導度とゼーベック係数を調べた。n型半導体であるAgSbO3は、CuO添加により室温から800℃の全域で電気伝導度は上昇し、ゼーベック係数の絶対値は低下した。一方、CuO添加量が2.5 mass%付近でゼーベック係数の絶対値が急激に大きくなり、800℃におけるパワーファクターは最高で7.24×10-4 Wm-1K-2 を示した。CuO添加の際に析出したAgアイランドのサイズや分布状態がゼーベック係数に影響を与えていると考えられる。今回はAgSbO3に添加するCuOの最適値を追及し、熱電性能のさらなる向上を図った。またAgSbO3にZnOを添加した試料の熱電性能を評価する予定である。
  • 今野 真, 西山 伸, 服部 豪夫
    セッションID: 2N13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    β-FeSi2は高い熱電特性を示すとともに、耐熱性・耐酸化性に優れるという特徴を持つことから熱電変換材料として注目されている。また、不純物ドープによる性能向上の試みが多くの研究グループによって報告されており、代表的なドーパントとしてMnやCoなどが挙げられている。一方、Bをドープするとゼーベック係数が著しく向上するという報告があり、熱電特性の向上が期待されている。以上のことから本研究では、Fe1-xMxSi2-yBy(M=Mn,Co)を合成し、HIPにより緻密な焼結体を作製後、その電気伝導度およびゼーベック係数を測定し、キャリア生成メカニズムについて検討することを目的とした。
  • 黒崎 健, 牟田 浩明, 山中 伸介
    セッションID: 2N14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    多結晶体でバルク状の各種タリウム化合物を作成し熱電特性を評価した。室温から600 Kの温度範囲で、熱伝導率、電気抵抗率、ゼーベック係数を測定した。タリウム化合物の熱伝導率は極端に小さく、熱電材料として非常に有望であることがわかった。
  • 藤代 芳伸, 濱本 孝一, 淡野 正信
    セッションID: 2N15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    エネルギー・環境問題において高効率のリアクター開発は重要である。その一例として、熱電変換酸化物材料を利用し排ガス等の高温廃熱を利用することにより、電気化学的にNOx等の有害化学物質を高効率で分解除去する新しいデバイスを開発している。本発表では、燃料電池型電気化学リアクターへの電力供給へ用いるための、Al固溶酸化亜鉛および層状カルシウムコバルト酸化物より作成した熱電酸化物セラミックス素子を用い、ジルコニアセラミックス固体電解型電気化学セルへの電力供給における発電モジュールの製造とそれを利用するデバイスの作動について発表する。
  • 益田 秀樹, 福島 達郎, 西尾 和之
    セッションID: 2N16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々はAl電解コンデンサの静電容量の向上を目的とし,Al箔のピット配列の制御を行っている.今回は,マスキングフィルムを用いてピット配列の形成について検討を行った結果を報告する.規則突起配列を有するNiモールドを鋳型とし,細孔配列を有するポリジメチルシロキサンのスタンプを作製した.このスタンプにポリクロロプレン溶液を展開し,乾燥後Al箔にプリントした.このポリクロロプレンをマスクとしてエッチングを行い,得られた構造をSEMにより観察した.その結果,比較的高濃度の塩酸を使用することでマスクの細孔に対応したピットが形成され,5μm周期のピットの規則配列を広い面積にわたり得ることができた.本手法が極限容量を達成するプロセスとなることが期待される.
  • 三浦 則雄, カラコディミ プラサド
    セッションID: 2N17
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    カーボンを全く用いないで安価な酸化マンガンだけを用いて、電気化学キャパシタ用薄膜電極を電析法により作製した。酸化物薄膜を電析する際に電位走査速度を最適化することにより、直径が数nmから10nm程度のナノウイスカ状酸化マンガンがポーラスな3次元ネットワークを構成した薄膜が得られた。このときの薄膜は、実用的に受け入れられるレベルの重量を有していた。また、このようなポーラスなナノ構造の構築により、従来の報告値よりもかなり高い電気容量が得られた。さらに、酸化マンガンとポリマーのコンポジットを用いた薄膜電極においても、かなり高い電気容量が得られた。
  • Bruno Scrosati
    セッションID: 2N18
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    Although lithium batteries are a commercial reality, there is still room for further improvement of their performance. For instance, it would be greatly desirable to replace the present high cost and toxic LiCoO 2 with more affordable and environmentally benign cathode materials. A convenient candidate is the phospho olivine LiFePO4, which is cheap, disposable and characterized by a flat voltage profile. However, the performance of this material is controlled by diffusion kinetics of LiFePO4 in part associated to its low electronic conductivity .The solution of the problem is provided by suitable modifications at the nanoscale level, e.g., dispersion of nanoparticle metals and/or advanced nanofibril morphologies. Among negative electrodes, lithium metal alloys and disordered carbons may be considered as alternatives to graphite. However these materials suffer of decay in capacity, both by initial irreversibility and by cycling decay. Interesting materials are spinel lithium titanium oxides which are characterized by a stable voltage and almost zero structural strain processes.Lithium iron phosphate and lithium titanium oxide may be combined in new types of polymer electrolyte lithium ion batteries which are characterized by a high level of safety and reliability.
  • 東中川 圭介, 平田 好洋, 鮫島 宗一郎
    セッションID: 2P01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    ニッケル/サマリウム固溶セリア(SDC)サーメットは、低温作動の固体酸化物形燃料電池の負極材料として注目されている。SmとCeのシュウ酸塩共沈物を空気中673 Kで仮焼し、これを1.4 M 硝酸ニッケル水溶液に含浸し、凍結乾燥を行った。得られた粉体を623 Kで仮焼し、空気中で1773 K、4時間焼結した。水素で還元したNi-SDCサーメットの熱膨張をアルゴン雰囲気中、323_から_1273 Kで測定した。20_から_45 vol% Ni-SDCサーメット(相対密度56.9_から_90.0%)の、323_から_673 Kの平均熱膨張係数は11.3×10-6_から_12.7×10-6 K-1であった。
  • 横峯 慎也, 平田 好洋, 鮫島 宗一郎, 福留 裕人, 岸 章太郎
    セッションID: 2P02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    サマリウム固溶セリア(SDC)を電解質とする燃料電池の負極材料としてSDC_-_Ni_-_SnO〈SUB〉2〈/SUB〉 系材料について検討した。SDC_-_Ni_-_SnO〈SUB〉2 〈/SUB〉を1573K で焼結した後の生成相はSDC_-_NiO_-_SnO_-_Sm〈SUB〉2〈/SUB〉Sn〈SUB〉2〈/SUB〉O〈SUB〉7〈/SUB〉 であった。1073KのH〈SUB〉2〈/SUB〉_-_H〈SUB〉2〈/SUB〉O_-_Ar 系雰囲気中でNiO はNi に還元された。電子伝導度はSnO〈SUB〉2 〈/SUB〉量の増加にともない高くなった。SDC 電解質(厚さ500μm)、SDC_-_Pt_-_CuO 系正極、SDC_-_Ni_-_SnO〈SUB〉2 〈/SUB〉系負極、H〈SUB〉2 〈/SUB〉(97vol%)/H〈SUB〉2〈/SUB〉O (3vol%) 燃料を用いた電池の最大出力密度は、1073K で180mW/cm〈SUP〉2 〈/SUP〉であった。
  • 牟田 浩明, 黒崎 健, 山中 伸介
    セッションID: 2P03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    SrTiO3は安価で毒性の無い酸化物熱電変換材料として期待されている。しかしその高い熱伝導率が性能指数を減少させており、これを低減させる必要がある。ここではドナー元素であるLaを他の希土類元素で置き換えた系、SrをCaまたはBaで置き換えた系、還元等により酸素欠陥を導入した系についてそれぞれ室温から600℃までの熱電特性を評価した。Ca、Baで置換した系では電気伝導率・熱伝導率ともに低下したものの、Ca置換によって室温付近での性能指数は4割ほど増加した。またLa以外の希土類元素で置換した系では、希土類元素のイオン半径に応じて熱伝導率が減少し性能指数が大きく向上した。
  • 小寺 宏明, 小寺 康博, 山本 武志, 大柳 満之
    セッションID: 2P04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    出発物質にSi、C粉末を用いてメカニカルアロイングを行い、SiC粉末を作製した。その後、放電プラズマ焼結法で加熱処理を行うことによりSiC焼結体を作製した。得られた焼結体の結晶相は、ほぼ-SiC単相であり、結晶子はナノサイズであった。そこで本研究では焼結条件(焼結温度等)を変化させることで、様々な結晶子サイズを持つ焼結体を作成し、得られた焼結体の結晶子サイズが熱電変換特性に与える影響を調査した。その結果、結晶子サイズは熱伝導度と電気伝導度に強い影響を示し、それによって、熱電変換特性の指標となるパワーファクターおよび性能指数は変化した。
  • 鶴岡 俊之, 樋口 昌史, 片山 恵一, 東 保男, 数原 学, 鈴木 真也, 宮山 勝
    セッションID: 2P05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    現在、次世代リチウム二次電池には高電位・高エネルギー密度で低コスト、低環境負荷、安定性及び安全性に優れた新しい正極材料が求められている。本研究では、次世代の正極材料の一つとしてLiFePO4に着目し、マイクロ波加熱源として炭素を利用したマイクロ波加熱法による合成を行った。本報告では、原料粉末に炭素を添加し、マイクロ波加熱合成時における発熱挙動、合成物の結晶化挙動、さらに、炭素添加による電気化学的特性への影響について検討した。XRDによる結晶相同定の結果、6wt%以下でLiFePO4の単相が得られたが、6wt%以上ではFe2Pなどの副生成相が確認された。
  • 渡邉 正義, 田畑 誠一郎
    セッションID: 3O01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    シリカコロイド結晶を鋳型にフルフリルアルコール樹脂を合成し、これを不活性雰囲気下で焼成、さらにシリカをエッチングすることにより、逆オパール構造を有する難黒鉛化黒鉛を合成した。この材料の構造・物性を明らかにするとともに電極材料としての特性を検討した。
  • 小林 弘典, 小池 伸二, 鹿野 昌弘, 栄部 比夏里, 辰巳 国昭
    セッションID: 3O02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年、リチウムイオン電池は燃料電池自動車等の補助電源として期待されている。自動車用途としては15年以上の長寿命が要求されているため、電池特性を改良し更なる長寿命を実現するためには、特性劣化因子を特定し劣化のメカニズムを解明することが極めて重要となる。そのため、種々の非破壊状態での劣化診断法が提案されてきている。一方、電池の構成部材のそれぞれの内部劣化機構、特に電極材料の劣化機構についてはこれまで必ずしも明らかにされてきていない。本研究では、主に連続パルスサイクル試験後の電極材料を評価することで、電極材料の変化と電池性能の低下との関連性について検討した結果について報告する。
  • 千葉 毅, 獨古 薫, 棟方 裕一, 濱上 寿一, 武井 孝, 金村 聖志
    セッションID: 3O03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    実用リチウム二次電池の電解液として可燃性の有機溶媒が使用されているため、安全性の面で問題となっている。この問題を解決するために、全固体型のリチウム二次電池の研究開発が進められている。しかしながら、電池の構造を全固体化することで、固体電解質と正極・負極活物質界面における接触が液体電解質に比べて劣る。そこで、我々は単分散球状粒子を利用した新規全固体型エネルギー変換材料の研究に取り組んでいる。本研究では、ゾルゲル法を用いてリチウム二次電池の負極活物質であるLi4Ti5O12 単分散球状粒子を合成し、それを三次元的に規則配列化させた電極を用いて電気化学特性を評価した結果について報告する。
  • 向坊 仁美, 門間 聰之, 逢坂 哲彌
    セッションID: 3O04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    Sn金属はLiイオンと電気化学的に合金化・脱合金化反応することから、将来型Liイオン二次電池用負極としての可能性を有している。しかしSn金属単体を用いた場合、合金化・脱合金化に伴う大きな体積変化により、充電・放電に伴い電極形状が保持できなくなり、利用可能な電極容量が減少する欠点がある。一方、Snを形状保持を目的としたマトリックス中にSn微粒子を分散させた系は、Snの脱落を防ぐことが可能であると考えられる。本研究ではSnSxを出発物質とするLi2S中に包括されたSn微粒子、金属をマトリックスとして利用するNiSn合金材料へと展開しており、その材料設計概念と電池負極としての可能性を議論する。
  • 水野 史教, 澁谷 優子, 林 晃敏, 忠永 清治, 南 努, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 3O05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    メカニカルミリング法により得られたLi2S-P2S5系をベースとするガラスを、加熱結晶化することによりガラスセラミックスを作製した。Li2S-P2S5-MS2 (M=Ge,Si)系では、熱処理温度とともにガラスセラミックスの導電率は増大し、550℃の熱処理後では室温で10-3 S•cm-1を超える高い値を示した。この高い導電率は、Li3PS4-Li4GeS4系thio-LISICONに類似の高リチウムイオン伝導性結晶の析出によりもたらされたと考えられる。これらのガラスセラミックスを固体電解質に用いた全固体電池は、室温でリチウム二次電池として機能し、300サイクル後においても100 mAh•g-1以上の充放電容量と100%の充放電効率を保持した。
  • 大友 崇督, 水野 史教, 林 晃敏, 忠永 清治, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 3O06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    出発原料であるLi2SとPおよびSの混合物にメカニカルミリング処理を行うことによって80Li2S・20P2S5 (mol%)系ガラスを合成した。ラマン分光法によって、得られたガラスの局所構造について調べたところ、ガラスはPS43-ユニットとP2S64-ユニットから構成されていることがわかった。一方、Li2SとP2S5の混合物を用いて合成したガラスは、PS43-ユニットのみから成り、異なる出発原料を用いることによって、ガラスの局所構造に違いが見られた。これらのガラスを加熱結晶化することによって得られたガラスセラミックスは、ともにPS43-ユニットから構成されており、室温において10-4 S/cm以上の高い導電率を示すことがわかった。
  • 林 晃敏, 小西 孝憲, 忠永 清治, 南 努, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 3O07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    メカノケミカル法を用いてSnS-P2S5系ガラスを作製し、熱的性質および局所構造について調べた。また、得られたガラスを電極に、高リチウムイオン伝導性Li2S-P2S5系ガラスセラミックスを固体電解質に用いることにより、電極と電解質が共通のP2S5ネットワークで繋がった新規な全固体電池を構築した。全固体型セル80SnS•20P2S5 / 80Li2S•20P2S5 / LiCoO2は、室温で二次電池として作動し、50サイクル後においても400 mAh/gの容量を保持することがわかった。
  • 芥川 奈緒, 獨古 薫, 棟方 裕一, 濱上 寿一, 武井 孝, 金村 聖志
    セッションID: 3O08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    固体電解質を用いた全固体型リチウム二次電池の電極抵抗を小さくするために、我々は多孔質な固体電解質を用いた活物質と固体電解質との複合電極について提案してきた。これまでに直径470 nmのポリスチレン粒子を用いたコロイド結晶鋳型法により非晶質のLi0.35La0.55TiO3の多孔体を作製することができた。本研究では、直径3 mmのポリスチレン粒子を用い結晶化したLi0.35La0.55TiO3の多孔体を作製することを目的とした。1000 °Cで焼成した後には直径10 mmの円形の膜が得られた。またSEM、XRDの結果より多孔質構造を維持した結晶化Li0.35La0.55TiO3が得られたことがわかった。さらにこの多孔体について電気化学特性の評価を行った。
  • 松村 忠朗, 武田 保雄
    セッションID: 3O09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    化学酸化により合成したNaxFeO2の構造と電気化学特性を調べた。NaxFeO2は層状岩塩型NaFeO2をNO2BF4を用いてNa脱離することで得た。化学酸化により構造が変化し、Liの脱挿入が可逆的に進行することを明らかにした。
  • 井手本  康, 清水 大輔, 小浦 延幸, 宇井 幸一
    セッションID: 3O10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    斜方晶LiMnO2のCu置換体であるo-LiMn1-xCuxO2(x=0.03,0.06,0.09)を、固相法により合成した。これらの試料について物性および電極特性のCu置換量依存について比較検討した。また、o-LiMnO2において、粒径による電極特性への影響を調べるために、異なる粒径におけるサイクル特性についても検討した。さらに、o- LiMnO2において、二回の焼成が必要な従来の固相法に比べて、一回の焼成で合成が可能な合成法について検討し、これにより得られた試料の物性および電極特性についても合わせて検討を行なった。
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