抄録
炭素繊維/フラン樹脂系炭素複合材料を5水準の熱処理温度で作製した.これらを,片側切り欠きを持つSEVNB試験片に加工し,3点曲げ試験を行うことにより,引張り破壊モードのwork-of-fractureを測定した.また,炭素繊維の半径,ヤング率および強度分布,繊維/マトリックス界面摩擦応力,界面剥離亀裂生成エネルギーなどの材料パラメータを,別途,測定し,それらを用いて引張り破壊仕事の理論値を算出した.得られた理論値と実験値を比較した結果,理論値はオーダーで実験値と一致しており,実験値の熱処理温度依存性の傾向をほぼ再現することができた.