抄録
マイカ系のセラミックスは電気的には絶縁体として知られている。これはマイカの層間イオンがカリウムイオンであり、そのイオン半径が大きいため、層間を移動できないからである。一方、イオン半径の小さなカルシウムイオンが層間イオンである場合、カルシウムイオンがキャリアーとなるイオン伝導性を示すことが期待される。しかし、カルシウムマイカは膨潤性を示すため、バルクの結晶化ガラスを作製することは困難である。そこで、本研究では、ナノレベルに制御したカルシウムマイカおよび層間によりカルシウムイオンがつめこめられた高電荷密度カルシウムマイカを含む結晶化ガラスの作製条件と得られた結晶化ガラスのイオン伝導性を検討した。