抄録
ピンオンディスク法を用い、Siとの摺動によりAlN焼結体に生成する粒界亀裂の頻度と破壊靭性の関係について調べた。ピンオンディスク試験は、真空中、360℃、Siピンを用いて、粒界相組成の異なる焼結体について行った。試験後の試料表面からは、Siの磨耗およびAlN焼結体の粒界亀裂生成が観察された。負荷荷重の増加と共に、粒界亀裂の発生頻度は増加した。粒界亀裂数は、破壊靭性とは明確な相関が得られなかったが、圧子圧入により導入した亀裂の粒界破壊率を基に算出される粒界破壊靭性と相関があり、粒界破壊靭性が高いほど粒界亀裂数は低下する傾向にあった。特に、粒界破壊靭性1.9MPa・m0.5を境に、粒界亀裂数は急激に低下した。