抄録
ガスタービン用高温部材の遮熱コーティング(TBC)として広く用いられている、Y2O3安定化ZrO2(YSZ)などのZrO2-Y2O3系セラミックスのコーティング法として、電子ビーム物理蒸着(EB-PVD)法が注目されている。EB-PVDで形成されるコーティングの柱状構造は耐熱サイクル特性・耐剥離性に、羽毛状構造は熱遮蔽効果に大きく寄与すると考えられ、TBC特性・信頼性の向上にはこれらの構造形成を理解することが重要である。本研究では,EB-PVD法によるYSZ等のZrO2-Y2O3系膜合成において、合成条件の中で特に、回転・反転などの基材運動が、コーティングの気孔率、配向、柱状晶の形態、羽毛状構造の制御に有効であることを明らかにした。