抄録
電気化学プロセスを用いてSnO2薄膜を作製するため、新たにこのプロセスに適したSn酸水溶液を作製した。この水溶液はSn、O、H以外の元素を含まず、pH上昇によって水酸化すずを析出する、優れた原料溶液である。この溶液を電解液として陰極にSUS基板、陽極にカーボン板、Ag/AgCl参照電極を用い、直流電源を用いて印加電圧-4から-8V、浴温0℃の条件で電解し、500から600℃で1h焼成して薄膜を得た。XRDの結果から、得られた薄膜はSnO2であることが確認できた。SEMで観察したところ、ポーラスで表面積が大きい薄膜が析出していた。これらのことから、このプロセスで作製した薄膜はガスセンサーなどへの応用が期待される。