日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2004年年会講演予稿集
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  • 申 ウソク, 邱 法斌, 田嶌 一樹, 伊豆 典哉, 松原 一郎, 村山 宣光
    セッションID: 1A27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    熱電変換式水素ガスセンサは、白金触媒と水素ガスの触媒燃焼による発熱を、薄膜熱電変換材料が電気エネルギーに変えるという動作原理で作動する。この素子の安定した触媒特性を維持するために、ヒーターを設けて素子温度を室温より少し高くする。さらに、この熱電式水素センサの応答性は、素子の熱容量を小さくすることで改善されると考えられる。本研究では、熱電式水素ガスセンサ素子のマイクロ化を進め、薄膜プロセスを用いた、ヒーター付き小型センサの開発を行った。
  • 田嶌 一樹, 申 ウソク, 邱 法斌, 伊豆 典哉, 松原 一郎, 村山 宣光
    セッションID: 1A28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    今後の水素燃料電池を用いた社会において、その安全な利用のため高性能水素センサが必要である。水素センサの中でも熱電式水素センサは動作原理が簡単であり高選択性、高感度、高濃度範囲検知が可能等優れた特性を有している。我々はSiGe薄膜の熱電効果およびPt触媒の水素酸化反応を用いた斬新な熱電式水素センサの開発を行っている。マイクロ熱電式水素センサは既存のエッチング処理と集積技術を組み合わせる新しいセンサー技術の一つである。そこでこれまで得られた知見を元に、素子のマイクロ化を図り、そのプロセス条件の検討を行い、作製したマイクロ素子の性能を評価した。
  • 伊豆 典哉, 申 ウソク, 松原 一郎, 村山 宣光
    セッションID: 1A29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    排ガスの更なる低減のためには、高速応答性が必要である。新しく開発した高速応答評価装置を用いて、2種類の応答時間を評価した。1つは、酸素分圧をステップ状に変化させたときに出力が90%変化するまでの時間(t90)と、もう一つは酸素分圧を周期的に変化させたときに出力が正確である最大周波数の逆数(tb)である。その結果、粒径および結晶子サイズが100nmであるセリア厚膜センサの1173Kにおけるtbは134msであった。また、そのセンサのt90は20ms以下であった。また、粒径が100-300nmのセリア厚膜を有するセンサでは、拡散が律速していることが明らかとなった。
  • 猪股 秀郎, 田中 靖保, 宮本 正章
    セッションID: 1A30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    最近,環境問題の配慮や資源の枯渇問題の影響で「環境半導体」であるβ-FeSi 2 の研究が進められています。β-FeSi 2 は耐酸化性や耐熱性も高く,p型,n型両方の得られる熱電材料、赤外光に反応する発光素子や効率の良い太陽電池などでも注目を集めている。しかしながら,β-FeSi 2 の合成には,原料の高温熱処理を一度行いα-FeSi 2 を合成し,その後低温熱処理(β化熱処理)に長時間かけて合成する方法が用いられています。
    そこで、本研究では,反応助剤を用いることにより,低温にて高純度のβ-FeSi 2 の生成を目的として研究を行い,得られた試料から焼結体を作製し、熱電特性を調べた。
  • 吉田 雄志, 杉原 淳
    セッションID: 1A31
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    現在、高い熱電特性を示す酸化物熱電材料にはp型半導体が多数存在する。しかしながら高い熱電特性を示すn型半導体はあまり多くない。そこで、現状にあるn型半導体の中で環境にも優しいZnOに注目した。ZnOは約3.2eVのバンドギャップを持つ半導体である。しかしZnOそのままでは電気抵抗はほぼ絶縁体であり、Znの一部をAlで置換することによって高温において高い性能因子を示す。また比較的熱伝導率が大きい材料でもあるのでこれを低減することができればより大きな性能を示すn型酸化物熱電材料となる可能性がある。本研究では、ZnOにいくつかの金属酸化物を添加したことによる熱電特性の変化を調べる。
  • 田中 靖保, 猪股 秀郎, 宮本 正章
    セッションID: 1A32
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    金属酸化物は一般に高温大気中で安定であり、安価で無害なものも多いため、耐熱性という観点から注目されてきました。本研究では希土類Co酸化物NdCoO3、SmCoO3などを対象とし、それらの熱電特性について評価を行いました。
    出発材料としてNd2O3(Sm2O3)、Co3O4、CaCO3をボールミルにて24h湿式混合を行い、乾燥後98MPaで一軸加圧成形し950℃、10hで仮焼する。その後粉砕して137.2MPaで一軸加圧成形し1150℃、10hで焼結した焼結体について評価を行いました。
  • 野村 隆史, 太田 慎吾, 増田 佳丈, 太田 裕道, 河本 邦仁
    セッションID: 1A33
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    高性能酸化物熱電変換材料の設計指針を見出すため、歪んだペロブスカイト型結晶構造を有する強相関電子系複合酸化物LaNiO3に着目し、La3+サイトをイオン半径の異なる3価の希土類イオン(Pr3+, Nd3+, Sm3+, Eu3+)で置換した焼結体の高温(400_から_700 ℃)熱電変換特性を調べた。全ての試料は測定温度領域全域で金属的な導電性を示し、その導電率は希土類イオン半径の増大に伴い増加した。一方、Seebeck係数は置換に依らずほぼ一定(_から_-30 VK-1)であったことから、導電率の変化は格子歪みの変化に伴うキャリア移動度の変化に相当すると考えられる。
  • 諸 培新, 増田 佳丈, 太田 裕道, 河本 邦仁, 竹内 崇浩
    セッションID: 1A34
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    出発原料であるNa0.7CoO2を、H2SO4を用いてイオン交換した後、エチルアミンの剥離作用を利用してシート状の酸化コバルト微粒子を作製した。次に作製した酸化コバルト微粒子を水ガラス溶液中に分散させることにより、粒子表面にSiO2ガラスをコーティングした。さらに得られたSiO2修飾CoO2微粒子を800℃で焼結してCoO2-SiO2超構造を持つ焼結体を作製した。得られた焼結体の熱電特性に及ぼす作製条件の影響を検討する。
  • 太田 慎吾, 太田 裕道, 河本 邦仁
    セッションID: 1A35
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    我々はこれまでに自然超格子構造を有するIn2O3(ZnO)m (mは自然数)焼結体の熱電特性を評価し、n型酸化物半導体として比較的良好な特性を有することを報告してきた。本研究では、高性能酸化物熱電変換材料の設計指針を見出すため、PLD法により単純酸化物ITO(In2O3:Sn)及びZnOの単結晶エピタキシャル薄膜を作製し、熱電特性を評価した。観測されるITO及びZnOの熱電特性は縮退半導体及び非縮退半導体の熱起電力モデルより算出される値と一致し、キャリア濃度を2×1018 (cm-3)程度に制御することで最も高い熱電特性を得られることを導き出した。
  • 村岡 一磨, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章, 熊谷 博彦
    セッションID: 1A36
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    非鉛系圧電材料であるニオブ酸カリウム単結晶に対し、斜方晶状態において疑立方晶表示の[001]方向に電界をかけることで、通常の斜方晶_-_単斜晶相転移温度よりも低い温度においても斜方晶の状態で存在することができるが、その時点で電界を急激に減少させることによって単斜晶への相転移を誘起し、非常に細かいエンジニアード・ドメインを導入した。それにより圧電特性を大幅に向上させることができた。
  • 吉川 桂子, 樋口 昌史, 浅香 隆, 東 保男, 片山 恵一
    セッションID: 1A37
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    家電製品や自動車に使われている圧電セラミックスの主流は、鉛を主成分とする鉛系圧電セラミックス(PZT系)である。鉛は環境への配慮からカドミウム・水銀・六価クロムなどと同様に有害物質として規制が厳しくなってきている。そのため、PZT系の代替品としての無鉛圧電セラミックスの開発は重要である。本研究は、高密度で電気機械結合係数、圧電歪定数が大きく、室温で利用可能な無鉛圧電材料の作製を目的として、K2CO3、Ta2O5、Nb2O5からK(Ta1-xNbx)O3ペロブスカイト型固溶体(KTN)を、組成比と焼成条件を変えて作製した。その密度と誘電率を測定した。
  • 松原 賢東, 山口 十志明, 菊田 浩一, 平野 眞一
    セッションID: 1A38
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    鉛系圧電材料に代わる非鉛系圧電材料として、(K,Na)(Nb,Ta)O3(KNNT)を固相反応法で作製した。この系は、難焼結性であり、通常ホットプレスなどを利用して作製されるが、我々は、新規に開発した焼結助剤(K4CuNb8O23,KCN,K5.4Cu1.3Ta10O29,KCT)がこの系の焼結性を大幅に改善することを見出した。KCNおよびKCT添加量と特性の関係を調査した結果、焼結助剤の添加量に比例して誘電率およびキュリー温度がシフトしており、焼結助剤の一部がKNNTと固溶する事が明らかとなった。
     更に、温度特性改善のため、KNNに対するLi置換を試み、4%のLi置換でキュリー温度が約50C高くなる事を見出した。
  • 田代 新二郎, 永田 邦裕
    セッションID: 1A39
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    固相反応法で合成する(K0.47Pb0.03Na0.5)Nb0.994O3圧電セラミックスの作製において,湿式ボールミルの液体に水を混入した場合の影響が検討された.水とエタノールの混合溶液の場合にはK2CO3とNa2CO3が溶けた水とエタノールが2相に分離するが,水とメタノールの場合には一様な溶液になる.このことから,水とメタノールの混合溶液について,水の濃度を変化させて検討した.得られたセラミックスの圧電特性は水の濃度によって大きく影響された.水を混入しない場合,径方向電気機械結合係数が40%以上を示すような試料を得るためには40h以上の焼成時間を要するが,適当量の水を混入することによって,2h焼成でも同等の試料が得られた.
  • 溝口 照康, 田中 功, 足立 裕彦
    セッションID: 1B06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    高輝度放射光施設を用いたX線吸収スペクトルの測定と,第一原理バンド計算を組み合わせ,酸化物中の極微量ドーパントの状態分析を行った.
  • 勝又 哲裕, 稲熊 宜之
    セッションID: 1B07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ペロフスカイト型酸フッ化、PbFeO2Fを高温、高圧下で合成し、その結晶構造、誘電性、磁性について調べた。その結果、結晶構造は室温で立方晶であり、室温以下14Kまで晶系の変化は観察されなかった。誘電率の温度依存性では、室温から100K付近までほぼ一定であり、100K以下で誘電率は減少した。また磁性の測定からは弱い強磁性成分が観察された。
  • 中嶋 聖介, 藤田 晃司, 田中 勝久, 平尾 一之
    セッションID: 1B08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    スパッタ法を用いて作製される亜鉛フェライト薄膜は室温において高い磁化を示し、その原因は非平衡蒸着プロセスにより引き起こされた亜鉛フェライト中のカチオンランダム配列に基づくフェリ磁性であることを演者らは先に明らかにした。本研究ではシリカ基板上に作製した亜鉛フェライト薄膜試料に熱処理を施し、そのナノ構造と磁気的性質の変化を調べた。300℃以下の低温における熱処理では結晶性の向上と高密度化に伴うイオン間距離の減少により超交換相互作用が強められ、室温における磁化は増加した。一方、400℃以上の高温の熱処理を施すとカチオンが熱力学的に安定なサイトへ再配列することで、フェリ磁性から反強磁性への急激な磁化の減少を伴う磁性変化が起こることがわかった。
  • 平木 聖大, 近藤 隆俊, 楠 祐樹, 高田 和司, 吉門 進三
    セッションID: 1B09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    本研究の目的は複合磁性材料を構成するフェライト媒質中でSiO2粒子を孤立させた場合の電磁波吸収特性を評価することである。完全にSiO2粒子が孤立した場合の吸収特性はシミュレーションから1GHz以下の低周波側ではNi-Znフェライト単体と似て、さらに1GHz以上の周波数領域でも吸収を起こす。メカニカルミリング法を用いてSiO2粒子をNi-Znフェライト粒子で覆うことを考え,作製した複合体の電磁気的特性および電磁波吸収特性を評価した。メカニカルミリング法を用いることによってSiO2粒子表面にNi-Znフェライトの超微粒子で覆うことが可能であることがわかった。この試料を用いて作製した複合体の複素比透磁率はSiO2粒子をNi_-_Znフェライトで孤立するモデルから算出した値に高周波側で近づくことがわかった。しかし導電性のある2価のFeが生じることで,SiO2粒子がNi_-_Znフェライト媒質中に完全に孤立したモデルによるシミュレーションで得られる電磁波吸収特性は得られなかった。
  • 豊田 丈紫, 北川 賀津一, 石井 慶信, 山口 泰男, 花島 隆泰, 山脇 康知, 佐々木 聡
    セッションID: 1B10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    六方晶系M型フェライトは大きな磁気異方性を持つことから,GHz周波数での電波吸収用材料として有望視されている.この異方性磁界は結晶中のFe3+を種々の原子で置換することで変化し,その変化量は置換する原子の種類や添加量に依存する.これは結晶中の5つのFeイオン席における置換元素の席選択性が異なるためである.しかしながら,六方晶フェライトは複雑な結晶構造を持つために置換元素と席選択性の関係が明らかにされていない.本研究では,Ti-Mnによって置換した六方晶フェライト単一相を合成してX線回折および中性子線回折測定から陽イオン席の占有率を解析し,結晶構造と電波吸収特性の関係について比較検討を行った.
  • 直江 正幸, 井上 誠, 宮本 剛, 中村 龍哉, 山田 義博
    セッションID: 1B11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    これまでの研究により、多結晶LiZnフェライトは、スピネルフェライトの中で比較的高いスヌーク積を示す材料であることが示された。この材料の実用化のためには、高抵抗率化および低温焼結化が課題であった。これらの問題は、Feの一部をMnで置換する(高抵抗率化)、Cuフェライトとの固溶系とする(低温焼結化)ことにより解決できることが確認された。そこで、本研究では、このフェライトを用いて、グリーンシート法により積層コイルを作製し、そのインピーダンス特性を測定した。これらの特性を、従来使用されているNiCuZnフェライトを用いた積層コイルの特性と比較・検討したので、その結果を報告する。
  • 久保田 浩平, 吉川 信一, 武田 隆史
    セッションID: 1B12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    α-Fe微粉末をアンモニア気流中で低温窒化することにより、高飽和磁化を有するFe16N2を合成している。窒化の進行および生成物の示す磁気特性は、原料とするα-Fe微粉末の形態(結晶子径、凝集度合い、結晶性)に依存する。結晶性の良い微粒子は窒化の進行が遅く、結晶径の小さい原料では窒化の進行に伴う微粉化およびFe3が生成し易いが為に、飽和磁化の低下が見られた。これらの結果から高純度なFe16N2を合成する為には、粒度分布が鋭く、分散性の良いα-Fe微粒子が必要であると考えた。そこでα-Fe微粒子を分散性の良い状態に自己組織化した粉体および薄膜を形成して、Fe16N2の窒化反応について調べた。
  • 安達 信泰, 早川 裕, 大里 齊, 奥田 高士, 五味 学
    セッションID: 1B13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    我々は、マイクロ波用のデバイスとしてのYIGの飽和磁化の温度特性を改善するために、Yの一部をGdで置換し、磁気補償温度を出現させ、さらにFeイオンを非磁性イオンで希釈することによりキュリー温度を変化させて室温付近の飽和磁化一定化を試みている.薄膜合成はLPE法を用いた.前回報告したY2Gd1Fe5-xAlxO12では飽和磁化変化がYIGの場合の200 gaussから6 gaussへと改善されたものの強磁性共鳴吸収半値幅は77 Oeと大きな値を示した.飽和磁化が500 gauss以下になると半値幅が増加するという報告をふまえ、本研究ではTiをFeの八面体位置に置換することで飽和磁化を増加できると期待してY3-x-yGdxCayFe5-zTizO12を合成し評価した.その結果、GGG基板を用いた薄膜で温度変化一定領域で1400gauss、室温での半値幅が20 Oe程度の特性が得られたのでその詳細を報告する.
  • 脇谷 尚樹, 篠崎 和夫, 水谷 惟恭
    セッションID: 1B14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    最近強誘電性と強磁性をあわせ持つ物質として(Pb,La)(Zr,Ti)O3-BiFeO3固溶体、Bi6Ti3Fe2O18およびYMnO3等について強誘電性と強磁性のカップリングが検討され始めている。演者らは強誘電体の自発分極と強磁性体の自発磁化を『直交』させることにより強誘電性と強磁性のカップリングが引き起こせるのではないかと予想している。このコンセプトに基づき、自発分極と自発磁化の方向が『直交』するBaTiO3/(Ni,Zn)Fe2O4積層エピタキシャル薄膜と自発分極と自発磁化の方向が『平行』となるBaTiO3/BaFe12O19積層エピタキシャル薄膜をSrTiO3基板上に作製し、薄膜の電気的、磁気的性質を測定した。
  • 鈴木 一行, 田中 清高, 符 徳勝, 西澤 かおり, 三木 健, 加藤 一実
    セッションID: 1B15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    FET型強誘電体メモリへの応用を目的として、(Y,Yb)MnO3薄膜を作製した。Pt/(Y,Yb)MnO3/Ptキャパシタを作製して強誘電特性を評価した結果、全固溶体組成において優れた強誘電特性を示した。加えて、YのYbによる置換によりプロセス温度の低温化が可能となることを見出した。これらの基礎的なデータに基づき、Pt/(Y,Yb)MnO3/Y2O3/Si構造を作製し、電気的特性の評価を行った。その結果、リーク電流は10-8A/cm2程度と小さく、強誘電体の分極反転に起因したC-Vヒステリシスが確認できた。この薄膜について、さらにメモリ応用を踏まえて、リテンション特性等の精密評価を行った。
  • 山崎 浩史, 志村 哲生, 坂本 渉, 余語 利信
    セッションID: 1B27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ペロブスカイト型酸化物の固溶体(1-x)BiScO3-xPbTiO3(BS-PT)はモルフォトロピック相境界(MPB)を有し、これまで主に応用されてきた強誘電体材料のPb(Zr,Ti)O3(PZT)より相転移温度(キュリー温度)が高く、良好な誘電特性、圧電特性及び強誘電特性を示すために注目されている。本研究では、このBS-PT薄膜を精密な組成制御と低温合成が可能となる化学溶液法を用いて基板上に作製し、結晶相の解析及び電気的特性の評価を行なった。その結果、600℃以上で結晶化処理を行なうことでペロブスカイト相単相のBS-PT薄膜を得ることに成功した。また得られた薄膜の誘電率及び残留分極値(Pr)はx=0.65の組成で最大を示し、それぞれ約1700と約30uC/cm2であった。
  • 今田 圭一, 志村 哲生, 坂本 渉, 余語 利信
    セッションID: 1B28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    最近、交代層構造Bi4Ti3O12-SrBi4Ti4O15(BiT-SBTi)化合物は、優れた耐疲労特性および単体構成成分のBiT,SBTiそれぞれと比較して、より大きな残留分極値を有するために、不揮発性強誘電体メモリのような、様々な薄膜電子デバイスへの応用が期待され、非常に注目を浴びている。また、構造中のBiサイトを希土類元素により置換することで、強誘電性が改善されるということも明らかになってきている。そこで本研究では、化学溶液法によりNd置換BiT-SBTi薄膜を作製し、Nd置換(Bi4-xNdxTi3O12-SrBi4-yNdyTi4O15 :BNT-SBNT/x+y=0, 0.75, 1.0, 1.5)による結晶化挙動や電気的特性へ及ぼす効果について検討した。その結果、BNT-SBNT (x+y=0.75)組成の薄膜は、2Prが30.0μC/cm〈SUP〉2〈/SUP〉という最も優れた強誘電性を示すことがわかった。
  • 加藤 一実, 鈴木 一行, 田中 清高, 符 徳勝, 西澤 かおり, 三木 健
    セッションID: 1B29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    鉛を含有しない強誘電体としてビスマス系層状化合物が期待されている。ビスマス系層状強誘電体は結晶異方性が大きく、電気的特性が方位依存性を示す。主な分極はa軸に平行に向いているため、強誘電性や圧電性を応用した高性能デバイスには、分極軸を膜面に対して垂直に制御したa軸配向膜が必要とされる。これまでに、ペロブスカイト層の酸素八面体の積層数が2のSrBi2Ta2O9や、積層数が3の希土類置換Bi4Ti3O12について、ルチル型構造の核形成層を介してa軸配向薄膜が作製され、その特性が報告されてきた。本発表では、複合アルコキシド溶液を用いて、酸素八面体の積層数が4のCaBi4Ti4O15膜を、核形成層を挿入しないで分極軸配向することに成功したので、その作製法と特性について報告する。
  • 林 卓, 飯澤 直也, 戸川 大地, 水谷 祐輝, 山田 美緒, 坂本 渉, 菊田 浩一, 余語 利信, 平野 眞一
    セッションID: 1B30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    強誘電体不揮発性メモリに応用が期待される(Bi,Nd)4Ti3O12(BNT)薄膜の研究が盛んに行われている。本研究では、BNT薄膜を化学溶液法によりPt/TiOx/SiO2/Si基板上に作製し、さらにBNT薄膜にエキシマUVランプを照射することで、550℃以下の低温で結晶化し、良質な表面の薄膜を得ることが可能となった。また、その薄膜は良好な強誘電性を示し、その残留分極値(Pr)と抗電界(Ec)はそれぞれ、16.1 µC/cm2 と102 kV/cmだった。
  • 矢部 寛之, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志 , 鶴見 敬章, 明渡 純
    セッションID: 1B31
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    本研究ではエアロゾルデポジション法によって室温でチタン酸バリウムの緻密な膜を作製した。また、作製された膜に300℃以下の比較的低温でアニール処理を施すことによって、結晶構造が回復し、透光性や誘電率が著しく高まることが分かった。さらに、原料粉を凝集させずに供給できるように装置を改良して、膜質を改善させることに成功した。
  • 張替 貴聖, 田中 大介, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 1B32
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    原子層レベルの薄膜作製技術によって創り出される人工超格子は、自然界に存在しない結晶を人工的に作製することで、これまでより優れた機能や特性、さらには新たな機能の発現の可能性を秘めている。本研究では、BaTiO3/SrTiO3系人工超格子の正確な誘電特性を明らかにするため、絶縁性SrTiO3基板上に作製した薄膜に電子線リソグラフィ法により微小交差指電極を形成し、測定した複素アドミッタンスを電磁界解析シミュレーションで解析することで薄膜の誘電特性を求めた。その結果、10単位格子ずつ交互に積層した人工超格子は他の周期の試料より大きな誘電率を示し、110MHzまでほぼ一定であることが明らかになった。
  • 田中 大介, 張替 貴聖, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 1B33
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    分子線エピタキシー法を用いてジルコン酸ストロンチウム/チタン酸ストロンチウム系人工超格子を作製した。膜厚は80分子層(約32nm)に固定し、積層周期を変えた試料を作製した。成膜中はRHEED強度振動が観測され、成膜後の結晶構造評価にはXRDを用いた。試料の誘電特性評価の際には、微小平面電極を用いて測定を行い、電磁界解析シミュレーションと組み合わせることで、誘電率を求めた。
  • 西岡 雄亮, 小舟 正文, 児島 慎一, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1B34
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    等方加圧アニール(HIP)法により、アモルファスPb(Zr, Ti)O3 (PZT)膜を1-100 MPaのAr-O2混合ガス圧下、500℃、1 hの条件で結晶化させてPt/PZT/PbTiO3/Ptキャパシタを作製した。HIP処理した試料はSi基板上において高度にc軸配向し、良好な表面平坦性を有していた。中でも1.5 MPaで処理された膜はすぐれた対称性のP-Eヒステリシスループを示し、残留分極Pr=15 μC/cm2及び抗電界Ec=60 kV/cmを有していた。分極疲労特性を調べた結果、圧力の増加にともない10 MPaを超える圧力条件で処理した試料はほぼファティーグフリー特性を示した。
  • 鈴木 久男, 星 佑介, 中山 洋
    セッションID: 1B35
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    CSD法によるPZT薄膜を形成する場合に、電界印加焼成したシード層を用いることでc-軸配向させた。さらに、その様にして得られたPZT薄膜の電気特性と組成の関係を詳細に調べた。
    その結果、PbOをシード層として(001)&(100)配向させた同組成のPZT薄膜と比較して高い圧電特性を示した。また、本研究で得られた圧電特性と組成や配向性との関係は、理論計算の結果と良く一致した。
    以上の結果から、電界印加焼成により形成したシード層による配向制御が優れた電気特性を示すPZT薄膜の形成に非常に有効であることが分かった。
  • 三輪 勇樹, 直江 信成, 鈴木 久男
    セッションID: 1B36
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    我々は化学溶液法(CSD法)により、Si基板上に(100)配向したLaNiO3(LNO)薄膜を形成した。出発物質にはLa(NO3)3・6H2Oと(CH3COO)2Ni・4H2Oを用い、溶媒には2-メトキシエタノールと2-アミノエタノールを用いた。形成したLNO薄膜の抵抗率は1.7×10-3Ω・cmであった。また、本研究で形成したLNO電極上にCSD法を用いて(100)&(001)方向に強く配向したPb(Zr,Ti)O3(PZT)薄膜を形成できた。PZT/LNOキャパシターは、残留分極値18μC/cm2の飽和したヒステリシスループを描き、PZT/Ptキャパシターと比較して疲労特性が改善した。
  • 田澤 祥吾, 脇谷 尚樹, 篠崎 和夫, 水谷 惟恭
    セッションID: 1B37
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    Pb(Zr, Ti)O3 (PZT)はPt基板上では結晶化しにくく、アモルファスや別な構造の物質になってしまう。そこでPt基板上にシード層を導入、PZTの結晶化促進が試みられている。本研究ではPt/Si基板上にPLD法によりSrTiO3シード層を成膜し、その上にPZTをMOCVD法で成膜した。その結果290℃でPZTを結晶化させることができた。ヒステリシスループによって表される強誘電性が、低温合成薄膜において観察された。SrTiO3シードの成膜条件(温度、膜厚、酸素分圧)によって上部のPZT薄膜の結晶性、配向性、残留分極値が変化した。この変化のメカニズムを考察する。
  • 古山 奈津美, 脇谷 尚樹, 篠崎 和夫, 水谷 惟恭
    セッションID: 1B38
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    耐熱温度が比較的高くフレキシブルなポリイミドフィルム上に酸化物薄膜を用いたアクティブデバイスを形成することを目指している。RFマグネトロンスパッタリング法により、ポリイミドフィルム上にPtバッファー層を用い、300℃でLaNiO3電極の合成ができる。それを踏まえて、本報告では、LaNiO3/Pt/ポリイミドフィルム上に、エキシマレーザ照射とゾルゲル法を用いて、PZT薄膜の合成を試みた。また、引張り試験機によるポリイミドフィルムと薄膜間、及び薄膜間の接着強度の評価と剥離面の観察を行った。
  • 舟窪 浩, 森岡 仁, 横山 信太郎, 及川 貴弘, 斉藤 啓介
    セッションID: 1B39
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    種々のZr/(Zr+Ti)比を有する完全c軸配向PZT薄膜をMOCVD法により、SrRuO3//SrTiO3基板上に作成した。得られた薄膜はどれも良く飽和したP-E特性を示し、これから自発分極値(Ps)を見積もった。その結果、結晶の正方晶歪み(c/a-1)とPsの間には良い相関が見られ、今回見積もったPsの値は妥当であることが明らかになった。
  • 徳永 亘, 田代 新二郎, 永田 邦裕
    セッションID: 1C06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    厚み方向に分極した半面電極の矩形板PZT圧電セラミックスを横方向縦振動の基本共振周波数で定電流駆動したときに電極間に現れる第2高調波電圧の大きさが測定された.この第2高調波電圧および駆動電流の大きさから2次項非線形定数を求めた.第2高調波電圧の周波数は励振周波数の2倍であることから,電極間に現れる第2高調波の大きさは第2次共振の影響を受ける.この第2次共振のインピーダンスが電極間に現れる第2高調波電圧の大きさに及ぼす影響を解析した.この解析結果に測定値を代入し,材料定数としての2次項非線形定数を算出した.矩形版試料の大きさおよび駆動電流を変化させて2次項非線形定数を算出し,解析結果の妥当性を検証した.
  • 奥田 和弘, 森分 博紀, 後藤 泰司, 南 誠一
    セッションID: 1C07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    ノートパソコン、液晶モニタ等のバックライトインバータ回路に変換効率の高い積層圧電トランスが広く用いられている.しかしながら,従来,圧電材料の焼成温度が1100℃と高いため、同時焼成される内部電極として,高融点のAg_-_Pdの合金を用いる必要があったため,デバイスコストが高いというデメリットがあった.我々は,新材料開発により、圧電特性を損なうことなく, Ag内部電極との同時焼成可能な900℃での低温焼結を実現し,Ag内部電極積層圧電トランスの開発・量産化に成功した.
  • 林 卓, 大竹 尉之, 長谷川 朋之, 秋山 善一
    セッションID: 1C08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    圧電セラミックスは、アクチュエータ、センサ等に用いられているが、Pb環境問題、内部電極の低コスト化から低温焼結が強く求められている。 低温焼結技術において最も有効な方法としては低融点物質の添加である。しかしながら、第二相の生成や母材との反応による特性の劣化を避けがたいこと、また低温焼結メカニズムが完全に解明されていないことなど課題も多い。そこで本研究では0.5Pb(Ni1/3Nb2/3)O3-0.5Pb(Zr0.3Ti0.7)O3(PNN-PZT)に低融点物質であるZnBi2O4を添加し添加量、添加方法の最適化を行った。また、添加による微構造や誘電、圧電特性への影響を検討した。
  • 吉村 祥, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 1C09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    (Bi0.5Na0.5)TiO3単結晶(BNT)の作製に際し、まず最適作製条件を決定するためBNT多結晶粉末、Bi2O3粉末、B2O3粉末を原料としてセルフフラックス法を用いて白金坩堝にて混合比および焼成温度を変えて5時間焼成後5時間で100℃冷却して得られた結晶の大きさを比較した。その中から最も大きな結晶の得られた混合比および焼成温度で20時間焼成した後50時間で100℃、さらに20時間で100℃冷却して得られた単結晶のドメイン構造の観察およびP-Eヒステリシス測定を行い強誘電特性評価を行った。本日はBNT単結晶の育成条件および得られた単結晶の強誘電特性について報告する。
  • 鳥光 翼, 福田 昇平, 一ノ瀬 昇
    セッションID: 1C10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    現在、圧電セラミックス材料としては良好な圧電特性を示すPZT系が主流となっている。しかしPZT系は有害な酸化鉛を多量に含むため、環境への悪影響が懸念されており、その使用が世界的に規制されつつある。そこで非鉛系圧電セラミックスの候補として(Bi0.5Na0.5)1-xBaxTiO3が挙げられる。しかし、この材料はx=6近傍において最も良好な特性を示す反面、200℃付近で反強誘電相へと相転移するという問題点がある。本研究では、この反強誘電相が消失するx>15の領域において圧電特性およびキュリー点Tcが良好な組成を探索し、そこへさらに高価数イオンをドープすることにより特性の向上を試みた。
  • 二口 友昭, 坂井 雄一, 出口 裕基, 安達 正利
    セッションID: 1C11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    非鉛系の圧電アクチュエ_-_タへの応用を目的として、チタン酸バリウム系セラミックスの窒素雰囲気での焼成実験を行った。[(Ba1-XCaX)O]m(Ti0.975Zr0.025)O2の組成ならびに添加物および焼成雰囲気と誘電的、圧電的性質の関係を調べた。各酸化物原料を所定の割合いに混合、仮焼し、粉砕、成形、本焼により試料を作製した。試料の表面を研磨したのち、Ni_-_Cr電極をスパッタにて形成した。インピ_-_ダンスアナライザにて誘電率と誘電損失、およびその温度依存性を測定した。また強誘電体評価システムにて、P_-_EヒステシスおよびS_-_Eヒステリシスを測定した。さらに、ニッケル電極との同時焼成の検討も行った。
  • 八高 公一, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章, Erhart Jiri
    セッションID: 1C12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    強誘電体単結晶において、自発分極方位ではない方向に電圧を印加した際に通常よりも高い圧電特性が得られることが確認されている。このときのドメイン構造をエンジニアード・ドメインと呼ぶ。去年、チタン酸バリウム単結晶を自発分極方向の[001]ではなく,[111]方向に電圧を印加することでエンジニアード・ドメイン構造を導入し、さらにドメイン構造を細かくすることでさらなる圧電特性の向上に成功した。今回、33モード用の試料においても、同様に圧電特性が向上するかどうかの検討を行った。
  • 澤瀬 啓史, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 1C13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    ビスマス層状構造強誘電体は非鉛圧電体の候補として、近年注目を浴びている。しかし、セラッミクスでは、高い異方性のために圧電性の重要な指標である十分な電気機械結合係数が得られていない。そこで、方位のそろった単結晶を用いて、本来の性能を引き出す事を目的にした。ビスマス層状構造強誘電体は、特異な結晶構造のためc軸方向に成長しにくい性質を持っている。そこで大型の結晶を得るために育成には垂直ブリッジマン法を採用した。その後、結晶の方位をラウエ法により決定し切り出しを行った。電気機械結合係数は、試料に高温高電圧で分極処理を施した後、共振反共振法で測定し算出された。
  • 西原 楽由, 一ノ瀬 昇, 新田 昌夫
    セッションID: 1C14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)の一つであるBaBi2Nb2O9を通常のセラミックス焼成法を用いて焼成温度1000℃-1100℃にて試料を作成した。そして焦電測定、誘電率測定などを行い3つの性能評価指数より試料の焦電特性を計測した。 またBaBi2Nb2O9を母相としてBLSFの疑似ペロブスカイト構造のBサイトに位置するNb5+を3種のイオン(V5+ ,Mo6+ Ta5+)にて置換する。BaBi2(Nb2-XMX)O9 (M=V,Mo,Ta)についてX=0.025、0.05、0.1、0.2と置換量を変化させて焼成温度を変えながら試料を作成した。そして母相と同様に各種の測定によって各試料の焦電特性を計測し、置換による焦電特性の変化について調査した。
  • 齊藤 亜紀子, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 1C15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    本実験では、非鉛系圧電体としてニオブ酸銀AgNbO3に着目し、Liを固溶させ室温付近の相転移を制御したAg1_-_xLixNbO3の単結晶の育成および物性を調べた。結晶育成は目的組成の仮焼粉を用いて除冷法で行った。AgNbO3の結晶構造はペロブスカイト型、斜方晶でa軸方向が自発分極である。それを利用して圧電特性の測定および誘電率の温度特性を測定した。
  • 高橋 健治, 大橋 直樹, 坂口 勲, 菱田 俊一, 舟窪 浩, 羽田 肇
    セッションID: 1C27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    種々の有用な機能を持つ酸化亜鉛(ZnO)単結晶を素子応用する上で、その微細加工が必要である。そこで。特に、生産性に優れた化学エッチング処理による微細加工の可能性について検討した。種々の面方位を持ったZnO単結晶にレジストを塗布し、電子線リソグラフィーによってパターンを描画した後、室温にて0.001MのHCl溶液でエッチングした。その結果、000-1面において、結晶構造から予想される六角形の構造以外にも、円形、四角形の構造も作製可能であることがわかった。レーザー顕微鏡、表面粗さ計、電子顕微鏡、AFMを用いた微視的評価から、結晶の対称性を満たさない六角形以外の形状が現れる機構に関する考察を述べる。
  • 淀川 正忠, 佐藤 幸生, 溝口 照康, 大場 史康, 山本 剛久, 幾原 雄一
    セッションID: 1C28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    Pr 酸化物またはCo 酸化物を添加したZnO系焼結体を空気中、様々な温度で熱処理し、I-V特性の変化を調べた。その結果、それぞれが単独で添加されている場合には、それぞれの陽イオンが還元される温度(Prイオン:1200℃以上、Coイオン:900_から_1000℃)以上で熱処理されるとバリスタ特性が消滅または減退し、酸化される温度以下で熱処理されるとバリスタ特性が発現または増進することが確かめられた。また、Pr 酸化物のみを添加したものでもバリスタ特性を示すことが確かめられた。PrとCo の酸化物が同時に添加されている場合には、両陽イオンの添加効果が同時に現れるため、バリスタ特性の発現・消滅は観察されなかった。
  • 佐藤 幸生, 大場 史康, 溝口 照康, 淀川 正忠, 山本 剛久, 幾原 雄一
    セッションID: 1C29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    PrおよびCoを等量添加した4種類の方位関係を有するZnO単一粒界を作製し、その電流電圧特性の評価および粒界構造の観察、粒界局所領域における組成分析を行った。その結果、整合性の良い方位関係の粒界ではPr添加物が存在しなかったのに対して、整合性の悪い粒界ではPrの偏析が確認された。この添加物の偏析挙動は電流電圧特性にも影響を及ぼしており、Prの存在しない粒界では非線形特性が発現しないのに対して、Prの偏析している粒界では明瞭な非線形特性が得られた。また、非線形係数αは粒界に偏析しているPr添加物の量と相関性があり、偏析量が多いほど非線形係数が高くなる傾向にあることが分かった。
  • 両見 春樹, 大橋 直樹, 大垣 武, 安達 裕, 坂口 勲, 竹中 正, 羽田 肇
    セッションID: 1C30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    パルスレーザー蒸着法による酸化亜鉛(ZnO)薄膜成膜時の酸化アシストの使用と得られた薄膜中の欠陥の状態について検討した。酸化アシストとして、酸素ガス照射、および酸素ラジカル照射を選択し、それぞれについて、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)を添加したZnO薄膜を合成した。得られた薄膜に、コバルト、および、酸素の熱拡散処理を施し、処理後の試料を2次イオン質量分析計によって分析することにより、拡散係数を算出した。Mgのみ、あるいは、MgとAl両方を添加した薄膜では、無添加のZnO薄膜に比べて、拡散係数の増加が認められた。さらに、MgとAlを同時に加えた試料では、拡散の活性化エネルギーが増加することがわかった
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