主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
水酸アパタイト(以下HApと略す)は,生体材料として利用されているほか,その用途は広いため,粒子形態などの性状も多様化され,さまざまな合成方法が開発されている.現在までHApの合成方法は固相法と液相法に大別される.しかし,固相法では,粒子の接触面でしか拡散反応が進行しないために均質性にかけるという問題点があり,液相法の中でも均質性に優れているといわれているゾルーゲル法でもゾルという粒子状態を経由することから完全な均質系の合成とは言いきれない面がある.そこで演者らはゾルーゲル法とおなじゲル法であり,ゾルーゲル法の問題点であるゾルを経由しないでゲルをえることの可能な高分子の脱水重合法に注目し,それをもちいたHApの合成を試み,その合成に成功した.