抄録
ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO)4(OH)2,HAp)は高い生体親和性を持つことから、成形外科や歯科分野で応用されている。HAp薄膜の作製方法はプラズマスプレー法、電気泳動堆積法、スパッタリング、液浸法などがあるが、中でもゾルゲル法は比較的低温で選択した前駆体から目的とする膜を作製できるため、広く研究されている方法である。一方、アモルファス膜への紫外光や真空紫外光の照射が膜の結晶化と緻密化に効果的であることが知られている。本研究では、有機物を存在させない状況でゾルゲル法によりアモルファスHAp膜を作製し、常圧で真空紫外光の照射による膜の挙動について調査した。