抄録
熱電酸化物結晶を高品質エピタキシャル薄膜化することにより、薄膜熱電変換素子への応用展開が可能になるだけでなく、[1]無配向試料に比べてキャリア移動に対する粒界散乱の寄与度が減少するため、結晶固有のキャリア伝導機構を理解しやすく、[2]伝導キャリア濃度の高い(~1e+22 cm^-3)結晶のキャリア濃度や光吸収係数が容易に測定でき、[3]結晶固有の熱電パラメータ(化学ポテンシャル、有効質量、キャリア緩和時間など)を抽出することができるというメリットがある。本講演では、p型コバルト酸化物(NaxCoO2、SrxCoO2)及びn型チタン酸化物(SrTiO3:Nb)のエピタキシャル薄膜成長と熱電特性について紹介する。