抄録
α-AgI,Li3Nや硫化物系リチウムイオン伝導ガラスなどの超イオン伝導体について、DV_-_Xα法により電子状態を算出した。イオンの移動は、イオンの位置の異なるいくつかのモデルを用いることでシミュレートした。移動イオンの結合状態を、実効電荷と有効共有結合電荷を用いて検討した。α-AgIおよびLi3Nでは、伝導パスに沿って移動する際の、移動イオンの総有効共有結合電荷の変化が、他のパスに比べて小さくなることがわかった。一方で、実効電荷の変化は、いずれのパスでもよく似た傾向を示した。さらに、硫化物系リチウムイオン伝導ガラスについて、イオン伝導性と差分有効共有結合電荷(DBOP)の関係について検討を行った。その結果、これらのガラスでは、DBOPとイオン伝導性の間には負の、伝導の活性化エネルギーとの間には正の良好な相関が見られることがわかった。