抄録
強相関電子材料の典型物質のひとつであるヘ゜ロフ゛スカイト型マンガン酸化物は、巨大磁気抵抗効果や電荷/軌道秩序構造の形成を伴う金属-絶縁体転移などの電子相関に起因した物性を示すことで現在までに数多くの研究が行われてきている。特に、超巨大磁気抵抗効果や磁場誘起による電荷秩序構造の融解などの特徴ある物理現象は、本物質系の強磁性金属状態の出現と密接に関係している。そこで研究では、巨大磁気抵抗物質の典型物質であるLa1-xSrxMnO3や(La,PrCa)MnO3系 における強磁性絶縁体相及び強磁性金属相での磁気的ナノ構造について、結晶構造と磁区構造との相関に着目して、極低温ローレンツ顕微鏡法を用いて得られた研究成果について報告する。