本研究は災害危険区域における土地利用、復興プレイスメイキングのプロセスと場所化の要因を明らかにした。事例研究を行った仙台市・荒浜地区では、多様なステークホルダーが元居住地に新たな意味を与え、多様な活動や工夫により周囲を巻き込みながら、結果的に「場所」として再生させたことがわかった。従来の復興計画のように、エリアにビジョンや用途を決め、行政や民間が土地を利用するといったプロセスだけでなく、各々が「場所」を創出し、エリアが様々な主体による意味付けの束で構成される、といった流れでかつての居住地を新たな「場所」として再生できることを指摘した。