熱プラズマ合成Eu3+ドープTiO2ナノ粒子の純粋な赤色発光

抄録

新規発光材料の開発をめざして、Eu3+ドープTiO2ナノ粒子を熱プラズマ法で合成した。ナノ粒子中の化学組成均質化のため、チタンとユーロピウムを含む安定な液体プリカーサーを調製し、酸素含有熱プラズマ中にミストとして供給した。得られたナノ粒子はルチル相とアナターゼ相の混合物であり、Eu3+ドープ量の増加とともにルチル相の割合が増加した。ナノ粒子から、617nmにシャープな最強ピークをもつ純粋で明るい赤色発光が得られた。可視_-_紫外吸光測定、励起スペクトルの結果を合わせると、Eu3+の直接励起とともに、TiO2ホストからEu3+への非輻射エネルギー遷移を経由した励起が存在することがわかった。