抄録
印刷法を用いて、(Nd,Eu,Gd)Ba2Cu3Oy(NEG123)超伝導厚膜をYSZ基板上に作製し、焼成条件と超伝導特性の関係について調べた。熱処理にはOCMG法を適用し、部分溶融温度(Ts) を変化させて試料を焼成した。溶融温度(Ts)から890℃までの間を300℃/h、890℃から500℃までの間を50℃/hの速度で冷却し、次いで、500℃で25時間のO2アニールを行った。
その結果、Ts=1030℃のときに最も高い臨界電流密度(Jc)、Jc=2.0×103A/cm2、が得られた。この試料の表面をSEM観察したところ、膜全体に溶融が進んでおり、10×15μm程度のプレート状のNEG123結晶が多数見られた。