日本地域看護学会誌
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地域包括支援センターの専門職による社会資源の創出に関連する要因の検討
俵 志江
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2011 年 14 巻 1 号 p. 62-70

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抄録

目的:地域包括支援センター(以下,センターとする)の専門職の社会資源の創出と,属性および個別支援における連携に関する項目,連携先との関連要因を明らかにすることである.方法:全国のセンターから系統的無作為抽出した1,324か所に所属する専門職(社会福祉士,保健師,主任介護支援専門員)を対象に,郵送による自記式質問紙法を実施した.調査項目は,属性と連携に関する項目(連携活動評価尺度,連携先数),連携先との連携の有無,社会資源の創出経験の有無とした.調査期間は2009年6〜8月であった.結果:社会資源の創出あり群は275人(31.3%),創出なし群は605人(68.7%)であった.社会資源の創出の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果,属性と連携に関する項目では運営形態が直営であること,「在宅介護支援センター」での職務経験があること,連携活動得点が高いことと正の関連があり,「要支援者の介護予防ケアマネジメント業務」が担当業務であることに負の関連を示していた.連携先では,「行政,その他担当課」「自主グループ」「弁護士」と正の関連があり,「介護サービス事業所(訪問サービス)」と負の関連を示していた.結論:センターの専門職が社会資源を創出するには,要支援者の予防プラン作成の負担軽減,多様な個別支援を通した連携活動の促進,インフォーマル資源や行政との連携・協働の必要性が示唆された.

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© 2011 一般社団法人 日本地域看護学会
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