抄録
ビスマス層状構造酸化物(Bismuth Layer-Structured Oxides; BLSO)は、その構造的特徴から強誘電性・導電性などの電気的特性に異方性を持たせられることが知られている。さらに、磁性イオンを含むBLSO強誘電体とすることにより、強誘電特性に加え磁気特性、また磁気・強誘電性間の相互作用により発現する物性の付与も期待できる。本研究では、磁性イオン(Feイオン)を含むBLSO強誘電体としてBi5Ti3FeO15を選択した。Bi5Ti3FeO15はBi4Ti3O12とBiFeO3を組み合わせた結晶構造の材料であり、BiFeO3が強誘電性と磁性を併せ持つことから、Bi5Ti3FeO15もまた、磁性を有する強誘電体となることが期待される。そこで、低温合成が可能、高均質、組成制御が容易などの特長を有する化学溶液法による、Bi5Ti3FeO15系薄膜の作製およびその評価を行った。