主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
窒化ジルコニウム(ZrN)は、高い電気伝導度と高硬度に着目して多くの応用が期待されている。これまで、ZrN薄膜はスパッタリング法などにより作製されてきたが、成膜面積やその形状が制限されるという欠点があることから、本研究では、大規模な装置を必要とせず非常に簡便な操作で、様々な基板上に大面積で成膜ができるゾル・ゲル法を用いた薄膜作製に注目した。薄膜は、スピンコート法で各種基板上に堆積させたゲル膜を窒素気流中で1200_から_1400℃の焼成を行うことで作製した。薄膜を窒化するには、焼成の際に強い還元雰囲気にすることが重要で、新しい熱炭素窒化法を応用することでその問題を解決し、ZrN薄膜の合成に成功した。