抄録
コランダム型の結晶構造を有するMg4Nb2O9を中心とするマイクロ波誘電体セラミックスにおいて、結晶構造解析と電子状態計算により、結合状態の変化がマイクロ波誘電特性に及ぼす影響を検討した。。MgO8八面体においてMn, Co, NiおよびZnで置換することにより、NbO8八面体内の共有結合性が低下し、比誘電率が増加することが明らかとなった。一方、NbのTaおよびSb置換では、MgO8八面体内での共有結合性の顕著な変化は認められないが、NbO8八面体内において共有結合性が増加し、比誘電率は減少することが明らかとなった。上述のように置換に伴う各八面体内の共有結合性の変化が比誘電率と密接な関係があることが明らかとなった。