抄録
燃料電池には、ナフィオン膜に代表される高分子電解質が用いられているが、熱的・化学的安定性に問題があるとされており、それに替わる材料の開発が望まれている。我々は、ゾル-ゲル法を用いてガラス製電解質の開発を目指している。ガラスのプロトン伝導特性は細孔特性に左右され、5nm程度の細孔を有したガラスでは、低湿度で多くの水を吸着し、高プロトン伝導性を得るのに有利であった。150℃で170mS/cm程度で、かつ-40℃付近まで高い電気伝導度を示すものであった。ゾル-ゲル法によって高伝導性ガラス薄膜の作製にも成功している。無機系電解質として、燃料電池に応用できることもわかった。