抄録
再生紙製造時に排出される廃棄物由来のペーパースラッジ炭化物を、ニッケル触媒の担体に用い、メタンの水蒸気改質の反応成績を調べた。活性の持続性は、水素前処理温度により大きく異なり873,973,1073,1173 K前処理サンプルの中で973K処理サンプルが最も良好な結果を示した。一方、各サンプルのマクロ孔およびメソ孔容量を測定した結果、前者は前処理温度に依存しないが、メソ孔容量は還元温度の上昇に伴い大きく低下し、メソ孔容量が活性を左右する因子の一つであることが示された。さらに反応成績に影響を与えるニッケルの結晶子サイズ、分散度も前処理温度に大きく依存した。