抄録
近年BaTiO3を主成分とした積層セラミックキャパシタ(MLCC)にDCバイアスを印加し続けると、時間の経過に伴いMLCCの静電容量が低下してしまうことが問題となっている。本研究では様々なMLCCにおいてDC印加後の誘電特性の評価を行った。BaTiO3を主成分とし、Mnの添加量を振った試料では、Mn添加量が多いほどごく初期の容量低下は抑えられるが、ある段階でそれは逆転し、Mn添加量の少ない試料に比べ、速く一定値に収束することが分かった。グレイン径の異なる試料では、グレイン径が大きくなるほど緩和量は大きくなった。焼成条件の異なる試料では、空気中焼成した試料の方が還元雰囲気焼成した試料に比べ、緩和量が大きくなった。