抄録
チタン酸バリウムはコンデンサーのほか、半導体、サーミスタなど、基礎的な電子材料として幅広く使われている。近年の電子機器の小型化に伴い、2μm以下の薄層が必要であり、材料粉体の微粒化が要求されている。製造方法には、固相法、ゾルーゲル法、水熱法などが提案されているが、いずれも高温の熱処理を必要としたり、収率が小さいなどの欠点を持つ。 本研究では効率よく粉体を製造できる、二流体噴霧熱分解法を用いて、チタン酸バリウム微粉末の製造を試みた。その結果、粒子の破裂によって500nmの粉末を得た。また、噴霧乾燥過程における粒子の形状を結晶成長ならびに乾燥プロセスの観点から数値計算によって解析し、粒子の生成機構について検討を行った。