抄録
近年、光通信の大容量化が急速に進められている。さらなる光通信の大容量化に向けて、私たちの研究グループでは単一波長励起による超広帯域光増幅媒体の創製を目指している。ブロードな蛍光を発する遷移金属イオンを活性イオンとして用い、結晶材料の優れた光学活性とガラス材料の優れた機械特性を併せ持つ透明結晶化ガラスをホストとする材料が候補となると考えている。今回、私たちはLiGa5O8:Ni2+が350Kまできわめて高い量子効率の近赤外蛍光を示すことに着目し、ナノサイズのLiGa5O8:Ni2+が分散した透明結晶化ガラスを作製し、その蛍光特性を調べた。この結晶化ガラスはこれまで報告した透明結晶化ガラスよりも高い量子効率を有することが明らかになった。