抄録
代表的な強誘電体化合物であるチタン酸バリウム(BaTiO3)は、新規な電子・光学材料としての多様な応用が期待されている。そこで、本実験では平均粒径10nmのBaTiO3粒子の単分散サスペンションを用いた電気泳動電着法(EPD)によるBaTiO3薄膜の作製を600℃以下の低温で行い、その誘電特性の調査を行った。BaTiO3ナノ結晶は、Ba(OC2H5)2とTi(OiC3H7)4をCH3OHとCH3OC2H4OHの混合溶媒に溶かし前駆体溶液を調製し、加水分解の後、90℃で1時間エージングすることによりBaTiO3ナノ結晶ゲルを得た。得られたゲルにCH3OC2H4OHを加え超音波解砕し、単分散サスペンションを得た。このサスペンションを用い、Cu基板上にEPDによりBaTiO3ナノ結晶薄膜を作製した。この薄膜を種々の条件で焼結し、それらの誘電特性を測定した。