抄録
固体酸化物型燃料電池(SOFC)はクリーンかつ高効率なエネルギー源として期待されている.その燃料極としてNi_-_ZrO2多孔体が最も多く研究されているが,作動環境下においてNi粒子が凝集,焼結し性能が低下するという問題がある.また燃料極の電気化学反応は,Ni,ZrO2,気孔からなる3相界面で起こることが知られている.そこで本研究では特殊な条件下で粉末を合成し,3相界長がより長くなるような微構造組織の制御を試みた.さらにNiをZrO2 が覆い隠したような組織を有するNi_-_ZrO2多孔体を作製することで,作動環境下でのNi粒子の焼結防止を試みた.