日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第19回秋季シンポジウム
選択された号の論文の729件中1~50を表示しています
  • 樋口 俊郎
    セッションID: 1A01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    科学研究費補助金特定領域研究「ブレイクスルーを生み出す次世代アクチュエータ研究」は、将来の応用展開を踏まえた各種の次世代アクチュエータの実現と、アクチュエータ技術全体に共通する基盤技術の確立をめざして、平成16年度に発足し、「超精密ナノアクチュエータ」「マイクロアクチュエータ」「スマートアクチュエータ」「パワーアクチュエータ」「特殊環境アクチュエータ」の5つの研究班が互いに密接に連携をとりあい41課題の研究に取り組んでいる。 本講演では、この特定領域研究で行われている研究を中心に、新しいアクチュエータの研究開発の動向を紹介し、アクチュエータにおける材料の重要性を幾つかの具体な例を挙げて述べる。
  • 小林 健, 一木 正聡, 前田 龍太郎
    セッションID: 1A03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    PZT薄膜の疲労特性向上には酸化物電極が有効である。その中でもLaNiO3(LNO)薄膜は,圧電MEMS応用に有利な(100)配向PZT薄膜を形成できるという点で優れている[1]。LNO薄膜を用いたPZT薄膜の配向性や疲労特性については,強誘電体メモリ応用を中心に多数の報告がされている。しかしながら圧電MEMS応用に重要なLNO薄膜の内部応力,これを含む圧電マイクロカンチレバーの反りについてはあまり報告されていない。本報告ではこれらの点を中心に検討を行い,圧電MEMSへの応用可能性について述べる。
  • 飯島 高志, 大曽根 聡子, 沖野 裕丈, 山本 孝
    セッションID: 1A04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    良好な動作特性を有する圧電薄膜センサーを実現するためには、使用する圧電膜の電気物性、特に膜の圧電特性をより正確に把握することが重要である。しかし、基板上に作製された圧電膜に電界を印可した場合、基板と膜が一体となってたわむため、膜自体の圧電特性の評価は難しいことが知られている。我々は、膜厚10μmのPZT膜をディスク形状に微細加工し、AFMを用いて膜の変位を測定した結果、ディスク直径が膜厚の3倍以下、すなわち直径30μm以下の場合、基板拘束の影響をほぼ排除できることを見いだしている。本報告では、AFMよりも簡便に膜の微小変位特性測定する目的で、独立した二つのレーザー光源(以後ツインビームレーザー変位計と標記する)を使用して、ディスク状PZT膜の変位と基板のたわみを同時測定し、ディスク直径と基板のたわみ変形の関係を調べた結果について発表する。
  • 眞岩 宏司, Seung-Hyun Kim
    セッションID: 1A05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    化学溶液法により作製したPMN-PNN-PZT薄膜の電気特性と電機機械特性の温度変化を測定した。薄膜は650℃の熱処理により作製された。分極ヒステリシス特性はスリムであり、高電場で飽和する傾向を持つ。誘電率は室温で2000前後であり、強いバイアス電場依存性を有する。比誘電率の温度依存性の測定から相転移を140℃付近に有すると判断できる。電界誘起変位のループは線形性に優れていて、d33換算で70pm/Vの値である。
  • 舟窪  浩, 横山 信太郎, 中木 寛
    セッションID: 1A06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    PZTとPMN-PTは大きな圧電性を有する代表的な圧電体である。本報告ではSrTiO3単結晶基板上に作製した、両者のエピタキシャル膜の特性評価を行い、その違いについて検討し報告する。
  • 加藤 一実, 粥川 真伍, 田中 清高, 郭 益平, 鈴木 一行, 増田 佳丈, 木村 辰雄, 西澤 かおり, 三木 健
    セッションID: 1A07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    非鉛系強誘電体・圧電体材料として注目されているビスマス系層状強誘電体や単純ペロブスカイト構造強誘電体を、様々な基板上に集積して機能を発現させるためには、膜状集積体の結晶構造と微細構造の同時制御が必須である。本研究発表では、複合アルコキシド溶液を用いてCaBi4Ti4O15やBaTiO3-BaZrO3膜の厚膜化を検討し、その際の分極軸配向制御を可能にした。1ミクロン厚の強誘電体膜の化学プロセス、結晶学的特長、微細構造、電気的特性を議論し、本材料のデバイス展開の可能性を考察する。
  • 坂本 渉, 今田 圭一, 志村 哲生, 余語 利信
    セッションID: 1A08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    強誘電体材料として特異な構造(自然超格子構造)を有するBi4Ti3O12系薄膜を化学溶液プロセスにより作製し、結晶学的な構造および強誘電性について評価を行った。また、異種元素を構造中にドープすることによる特性の向上効果についても検討を行った。
  • 田中 清高, 柿本 健一, 大里 齊, 飯島 高志
    セッションID: 1A09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ゾルゲル法による鉛フリー強誘電体(Na1-xKx)NbO3(NKN)薄膜の作製を検討している。これまでにNKN薄膜(x=0_から_1)を本焼成500℃でPt/Ti/SiO2/Si基板上に作製した結果,最も結晶性の高い薄膜はx=0.5の組成で得られた。しかし,この薄膜は100に強く配向しており,全ての組成のNKN粉末は典型的なランダム配向であったことから,基板からの応力によって薄膜は擬似立方晶系に結晶化したと考えられる。また,x=1のKN薄膜ではペロブスカイト相あるいは二次相も確認されず,KN薄膜では基板からの応力が特に強く影響していると考えられる。当日は熱膨張の異なる基板上に作製したNKN薄膜(x=0_から_1)について報告する。
  • 小口 多美夫
    セッションID: 1A17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    強誘電体に対する第一原理計算の最近の進展をレヴューする。とくに、ペロフスカイト酸化物系における誘電性の電子論的理解や構造の安定性を概説する。具体的な研究例として、講演者の研究グループにより最近行われた巨大電気分極の予測やマルチフェロイック酸化物系に対する第一原理からの物質設計の話題を紹介する。
  • 岩崎 誉志紀, 鈴木 利昌, 岸 弘志, 常行 真司
    セッションID: 1A19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ペロブスカイト型酸化物の電子状態は、結晶場による3d軌道の分裂を出発点とすることにより、欠陥の発生や遷移金属ドーピングが行われた場合の電子構造の変化を系統的に理解することが可能である。今回は電子状態計算からペロブスカイト型酸化物材料を理解する取り組み全般と、我々の検討によって明らかになったSrTiO3,BaTiO3中の不純物や欠陥構造の興味深い特徴について報告する。
  • 野口 祐二, 木崎 陽一, 玉田 稔, 山本 勝也, 宮山 勝
    セッションID: 1A20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    第一原理計算により解析したPbTiO3,K0.5Na0.5NbO3およびBi層状強誘電体の欠陥構造を示し,リーク電流を低減するための材料設計指針を提案する.K0.5Na0.5NbO3において,Nb4+がd電子による電気伝導の種となり,リーク電流特性を悪化させることを示す.Mnドープがこれら単結晶のリーク電流低減に有効であること,およびそのメカニズムを考察する.
  • 王 瑞平, 花田 幸太郎, 松崎 邦男, 阪東 寛, 伊藤 満
    セッションID: 1A21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    PZT圧電セラミックスの圧電特性は、Aサイト或いはBサイトに高価のイオンを導入し、鉛の空孔を形成することにより、エンハンスされることがよく知られている。本研究はドーピングにより、ニオブ系(1-x)(Na0.5K0.5)NbO3-xATiO3固溶体のAサイトに空孔を導入し、その誘電・圧電特性における空孔の影響を調べた。その結果、キュリー温度が低温側にシフトし、室温の誘電率・誘電損失がほぼ空孔によらず一定である。また、圧電定数d33及び電気機械結合係数kpが0.5mol%及び1.0mol%の空孔濃度より低下したことが分かった。その原因について考察した。
  • 柿本 健一, 東出 和彦, 堀田 達郎, 大里 齊
    セッションID: 1A22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    (1-x)(Na0.5K0.5)NbO3-xLiNbO3 (LNKN)系鉛フリー圧電セラミックスの温度特性を調べた。モルフォトロピック相境界であるx=0.06とその近傍組成では、圧電特性の温度変化が大きく異なり、弾性コンプライアンスの温度依存性が密接に関与している。これらの変化は結晶構造中の僅かな変化および2次相の存在が起源であり、ラマン分光スペクトルの温度変化から議論する。
  • 高橋 弘文, 沼本 芳樹, 谷 順二, 連川 貞弘
    セッションID: 1A23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    水熱合成によって作製したナノサイズのBaTiO3粉末はマイクロ波焼結により高い圧電定数d33値を示した.そのセラミックスの圧電定数d33値はおよそ350pC/Nで、粒径は2.1ミクロンであった。高い圧電定数を示すセラミックスの微細構造、及び粒界特性についてTEM、SEM-EBSP-OIM解析装置を利用して調査した.その結果、粒内のドメインサイズはおよそ50nmであることを確認した.チタン酸バリウムの圧電特性の高性能化の理由としてドメインサイズを減少させ、粒内のドメイン壁密度を増加させることであることをセラミックスでは初めて明らかにすることができた.粒界特性について解析した結果、ランダム粒界であり、圧電特性の高性能化に寄与している可能性を考察した.
  • 渡辺 晃, 河原 正佳, 福井 武久, 木崎 陽一, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 1A24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、鉛による環境問題が重視され、PZT系に代わる非鉛系圧電材料が望まれている。 Bi0.5K0.5TiO3(BKT)-BiFeO3(BFO)系は鉛を含まない圧電セラミックスとして期待される材料のひとつであるが、難焼結性であり、単一相かつ高密度の試料を得ることが難しい。本研究では、出発原料にFlash-Creation-Methodで作製したBKT-BFO固溶体ナノ粉末を用い、急速加熱により1000℃-2h焼成することで、単相かつ相対密度約95%の高密度試料を得た。60%BKT-40%BFOでは圧電定数d33*は250pm/Vであった。
  • 永田 肇, 山田 圭祐, 稲井 慎也, 晝間 裕二, 鈴木 宗泰, 竹中 正
    セッションID: 1A25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)は、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)系で実用化されているセラミックレゾネータの非鉛代替材料として注目されている。中でも、Sr2(1-x)Ca2xBi4Ti5O18(SCBT)セラミックスは、比較的大きな機械品質係数Qm(~2300)や小さな共振周波数の温度係数TCF(~-50ppm/oC)を持つことが報告されており、非鉛系のセラミックレゾネータ材料の候補と考えられている。今回我々は、SCBTセラミックスにおいて様々な振動モードを検討し、(t)モードでTCF=-27ppm/oC、Qm=7000という良好な値を得たので報告する。
  • 武田 博明, 西田 貴司, 塩嵜 忠
    セッションID: 1A26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    船舶および自動車等のエンジンの各気筒部に取り付け直接燃焼状態を制御する燃焼圧センサー用の圧電材料として、ランガサイト(La3Ga5SiO14)結晶が注目されている。しかし、同結晶は動作保証温度である400oCで絶縁抵抗が低下し性能が劣化する欠点がある。これに対し、演者らはランガサイトにAlをドープすることで絶縁抵抗を1桁以上向上することを見出している。本発表ではランガサイト型結晶にAlを固溶限界までドーピングすることによる電気的特性への影響について調査した。
  • 塗 溶, 後藤 孝
    セッションID: 1A27
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    b軸配向したBaTi2O5多結晶体をアーク溶解法により作製し、BaTi2O5の誘電特性に及ぼすCeO2添加の影響を調べた。0~ 10mol%CeO2を添加したBaTi2O5多結晶体は、いずれも(020)に強く配向した。CeO2添加量の上昇につれてBaTi2O5の格子定数が減少し、BaTi2O5へのCeO2の固溶限は3mol%であった。1mol%CeO2を添加したBaTi2O5の誘電率は最も大きく、3600であった。キュリー温度はCeO2添加量の上昇につれて減少した。
  • 谷口 博基, 余野 建定, 荒井 康智, 八木 駿郎, 符 徳勝, 伊藤 満
    セッションID: 1A28
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    無容器法によって作製されたBaTi2O5ガラスは、強誘電体を基にしてガラス形成物質の添加無しに作られた初めてのバルクガラスであり、新ガラス材料として極めて多くの注目を集めている。この物質は結晶化過程において107にも及ぶ巨大な誘電異常を示すがその起源は明らかになっておらず、結晶化過程の解明が強く望まれている。本研究ではラマン散乱を用いてBaTi2O5ガラス結晶化過程のその場観察を行なった。その結果、α相とβ相の2つの準安定ナノ結晶相の生成を伴った段階的な結晶化過程を明らかにした。さらに巨大な誘電異常がα相に起因することを解明した。
  • 今中 佳彦, 林 信幸, 竹野内 正寿, 明渡 純
    セッションID: 2A01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    コンピュータ, 携帯電話等の各種電子機器の性能向上のためにキャパシタ, フィルター等を内蔵化した小型・低コスト・高性能電子配線基板の実現が期待されている。現在LTCCは, この基板開発にむけての最有力技術として有望視されているが, コストが比較的高い。我々はエアロゾルデポジションで受動素子を形成した樹脂系ビルドアップ基板を次世代の低コストモジュール基板として提案している。エアロゾルデポジションは衝撃固化現象を利用した成膜方法であり, 樹脂の耐熱温度以下でセラミック膜を形成することが可能である。本講演では受動素子内蔵基板開発におけるエアロゾルデポジション技術の重要性ならびにエアロゾルデポジションで形成したチタン酸バリウム膜の構造・特性について述べる。
  • 西岡 浩, 木村 勲, 菊地 真, 鄒 紅コウ, 神保 武人
    セッションID: 2A03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     誘電体薄膜は、従来デバイスの小型化により、バルク材料から薄膜材料への移行が進み、様々な材料や成膜方法の研究が盛んに行われている。我々はFeRAMや圧電MEMS向けPZT、弾性波デバイス向けAlN、光学MEMS向けSiO2などの様々な誘電体材料および、それら誘電体向け電極材料の開発を行っている。これらのデバイスは、電極材料も含めた配向制御や密着性の改善、スパッタ装置の再現性など様々な開発が必要であり、今回、これらの誘電体スパッタ成膜技術について紹介する。
  • 坂井 穣, 伊藤 暢晃, 伊藤 信一, 高橋 健治, 舟窪 浩
    セッションID: 2A04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    様々な条件でアニール処理されたSrRuO3 (SRO) 薄膜の酸素含有量と結晶構造、電気特性との関連を調べた。SRO 薄膜はスパッタ法にて (100) SrTiO3 基板上に堆積させた後、圧力 50 mTorr、温度 Ta のAr雰囲気中で10分間アニール処理した。各薄膜試料について、酸素含有量を非ラザフォード弾性共鳴散乱法 (NRERS) により定量するとともに、X線回折法による構造評価と4端子法による ρ-T 測定を行なった。結果、酸素含有量は Ta = 500℃のとき顕著に減少するが600℃以上では再び増加した。一方電気抵抗率は Ta とともに単調増加した。すなわち高 Ta 領域では酸素量と導電性の間に相関はなく、むしろ結晶構造の崩壊が導電性劣化の直接要因であることが示唆された。
  • 吉村 武, 新井 涼太, 益子 慶一郎, 藤村 紀文
    セッションID: 2A05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、酸化物エレクトロニクスの分野が注目を集めている.酸化物半導体と酸化物強誘電体のヘテロ接合を用いることで,強誘電体の自発分極によってチャネルのキャリアを直接制御する強誘電体ゲートFETが作製できる.強誘電体ゲートFETは,,高集積化.高速動作,非破壊読み出しが可能な不揮発性メモリの基本素子として注目されており,酸化物半導体を用いることで良好な半導体-強誘電体界面の形成が期待できる. 本研究では,酸化物半導体とヘテロ界面を有する強誘電体薄膜の自発分極を安定化するために,自発分極を有する半導体(焦電性半導体)をチャネルに用いた新規な強誘電体ゲートFETの作製を試みた.
  • 木口 賢紀, 脇谷 尚樹, 水谷 惟恭, 篠崎 和夫
    セッションID: 2A06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    SiO2膜に代わるCMOS高誘電率ゲート絶縁膜として非晶質HfやZrシリケートが注目されているが,poly-Siゲートプロセスにおける熱処理過程でHfO2が結晶化・相分離し,組織・組成の空間的変動や見かけの誘電率の低下,リーク電流密度増加,界面電荷密度の増加などの問題が起こっている.本研究では,非晶質酸化物誘電体の中でもとくにイオン性が低くかつ高誘電率なModified Continuous Random Network (MCRN)型構造を持つTa2O5に着目し,Random Closed Packing (RCP)型構造を持ち高誘電率であるが非晶質の高温安定性の低いHfO2,ZrO2との固溶体を検討し,高誘電率と高温での非晶質安定性を両立したMCRN型のTa-M-O(M=Zr,Hf)系非晶質ゲート絶縁膜の創製を目指し,高温での非晶質ナノ構造安定性評価を行った.
  • 朴 載赫, 明渡 純
    セッションID: 2A07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    We prepared high transparent plasmonic gold/lead zirconate titanate (PZT) nanocomposite thick films by aerosol deposition method (ADM) for the first time and report their enhanced surface plasmon resonance (SPR) properties. ADM has been attracting much attention for its ability to deposit complex composite films at a high deposition rate and a low process temperature. Composite metal-dielectric powders are prepared from submicron particles of PZT and nano particles of gold (10-40 nm) with concentrations below 1 wt%. Nanocomposite gold/PZT 3-μm-thick film acquired enhanced SPR at approximately 640 nm as a result of annealing. The SPR position in nanocomposite films deposited by ADM can be precisely controlled by adjusting the dielectric constant of the host matrix by annealing. Moreover, nanogold particles were spatially very well distributed in the PZT matrix and showed no growth in spite of annealing at 600 ℃. It was expected that the surface plasmon resonance of the nanocomposite gold/PZT system would be coupled to the EO effects of the PZT medium, leading to modification and enhancement of the EO properties. High transparent nanocomposite thick films fabricated by ADM could be good candidates for application to ultrahigh-speed optical modulators and switches.
  • 三好 哲
    セッションID: 2A08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    エアロゾルデポジション法(AD法)は、セラミックス原料粉をガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射することで、緻密なセラミックス膜を基板上に作製する手法である。AD法で作製したPZT膜はバルク焼結体と同等以上の機械特性を有することが知られている。その一方で、電気特性に関しては、バルク焼結体と同等の特性が得られたという報告は少ない。この理由としては、基板拘束の影響や焼成時の基板との反応等が懸念されている。そこで本研究では、AD法で数百μm厚のPZTを作製した後、基板から剥離することでバルク状試料を作製し、焼成温度と結晶構造及び電気特性の関係について調査した。
  • 藤本 正之, 小長井 雅史, 小山 弘
    セッションID: 2A09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    数十ナノ秒、数ボルトの極性パルスにより超高速抵抗スイッチングを示すTiO2/TiNナノ結晶薄膜のナノ構造と電子輸送特性との関係が高分解能電子顕微鏡(HR-TEM)、電子線エネルギー損失分光(EELS)を用いて調べられた。高抵抗状態、低抵抗状態のどちらの試料もTiO2ナノ結晶はアナターゼ型であることが明らかになった。σ-1/Tプロットの結果からMott転移が起きていることが推定された。
  • 徐 超男
    セッションID: 2A17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     外部からの機械的応力に反応して発光する無機系新材料、応力発光体を世界で初めて開発している。 応力発光体は、外部からの機械的な応力に反応して弾性変形領域内で繰り返し自ら発光する性質を持っており、普段に目で見えない力を光の瞬きで見抜くことが可能となる。まさしく、根本から新しい技術であるため、従来の計測技術では対応困難なマイクロ・ナノサイズの対象物から、産業施設等の大規模構造体まで、計測対象のサイズを選ばないスケーラブル・センシングとしても注目されている。本講演では、最新の青色の応力発光体の進展をはじめ、ナノ粒子化とその高効率化の進展、およびその応用進展について発表する。
  • 鶴見 敬章
    セッションID: 2A19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    リラクサー誘電体に関する過去の研究をレビューし、リラクサーのメカニズムについて解説する。さらに、積層セラミックスコンデンサー(MLCC)の誘電体におけるリラクサー挙動について、実験データを紹介し、次世代MLCCの設計に関する実験と解析の結果を解説する。
  • 志村 努
    セッションID: 2A21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    フォトリフラクティブ効果とは、光キャリアの発生と電荷再分布により、光強度分布により屈折率が変化する現象であり、実時間ホログラフィーとその関連する現象を用いた応用が期待されている。リラクサー系強誘電体である、0.91Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-0.09PbTiO3(0.91PZN-0.09PT)は大きな圧電効果を有することが知られており、一般には圧電素子としての応用を目指した研究が行われている。われわれは、圧電効果と光弾性効果の複合により、実効的な電気光学効果が著しく大きくなることに着目し、大きなフォトリフラクティブ効果を発現することを予想し、実験的にこれを実証した。PZN-PTのフォトリフラクティブ効果の基本特性と、Fe, Rh等の不純物添加による効果の増強、関連する現象について報告する。
  • 三原 賢二良, 新見 秀明, 田村 博, 坂部 行雄
    セッションID: 2A22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    PTCサーミスタの機能向上のひとつに低抵抗化があり、これまで材料比抵抗の低抵抗化とともに積層構造による低抵抗化が試みられてきた。しかし、PTCサーミスタの積層化は還元焼成によるPTC特性の消失、再酸化による卑金属内部電極の酸化が課題となり困難であった。そこで我々は、還元再酸化組成としてCaを添加したチタン酸バリウムをとりあげ、この組成系のAサイト/Bサイト比の影響について調べた。
  • 島田 武司, 勝山 義昭, 塩嵜 忠, 武田 博明
    セッションID: 2A23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    欧州を中心に電子材料の非鉛化の動きが高まっている。このような背景の中、ヒーターなど比較的高い温度で使用されるPTCサーミスタの非鉛化を試みた。高温の用のPTCサーミスタにはチタン酸バリウムにチタン酸鉛を添加したものが用いられるが、チタン酸鉛のかわりにチタン酸ビスマスナトリウムを用い、作製条件を最適化する事によって極めてジャンプ特性が高く、室温比抵抗が低い材料を作製する事に成功した。この材料について、電気特性、粒界抵抗、ICTSスペクトルを測定したのでその結果について述べる。
  • 野村 武史, 中野 幸恵, 佐藤 茂樹
    セッションID: 3A01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Ni電極積層セラミックコンデンサの過去の技術進展を概説し、今後の展望を予測する。Ni電極積層セラミックコンデンサ耐還元性、絶縁抵抗の寿命、エージングその他の多くの技術課題を克服して現在の隆盛を迎えるに至った。現在、超小型化、超薄層化、超多層化が進められており、セラミック材料の重要性もさらに増しているが、プロセス技術の重要性がよりクローズアップされてきている。このような状況下で、今後の展開を予測する。
  • 岡田 長也, 林 敦浩, 山森 春男
    セッションID: 3A03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    超音波技術を使った応用製品は多岐にわたり、従来からある魚群探知機、超音波洗浄機だけでなく、最近では家電にまでその応用が広がりつつある。その一方で、欧州を中心にした材料規制から、PZT系圧電セラミックスに匹敵する非鉛圧電材料開発が注目を集めている。多岐にわたる超音波応用製品に要求される圧電材料は、使い方、材料特性にも幅広いバリエーションが要求される。両者の要求を検討し、適応可能な新しい圧電材料について、アプリケーションの立場から述べる。新しい超音波アプリケーションの創造には、高性能多機能な材料がキーとなり、材料とアプリケーションの相互の歩み寄りが新しいビジネスフィールドを生み出すと考えている。
  • 打越 哲郎, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 3A04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    常磁性体や反磁性体などの弱磁性材料は強磁性体に比べ磁化率が数桁も小さく、従来は外部磁場の影響を受けない物質(いわゆる非磁性体)として取り扱われてきた。しかし、超伝導マグネットが発生する10T級の強磁場中では確実に磁場の影響を受けることが最近の研究でわかっている。また、非対称な結晶構造(立方晶以外の結晶構造)を持つ弱磁性体に強磁場が及ぼす磁気的作用を利用して、結晶方位の制御された材料を創製する技術も確立されつつある。本講演では、セラミック粒子のコロイドサスペンションに及ぼす強磁場+電場の重畳作用を利用した配向制御プロセス(強磁場電気泳動プロセス)の基礎理論と誘電材料への応用例を紹介する。
  • 土信田 豊, 岸 弘志, 牧谷 敦, 田中 諭, 植松 敬三, 木村 恒久
    セッションID: 3A05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    非鉛圧電体のBi層状化合物(BLSFs)のBi4Ti3O12(BIT)、タングステンブロンズ型化合物(TBSFs)の(Sr,Ca)2NaNb5O15などは、圧電特性の結晶異方性が大きい。セラミックで利用するには、結晶配向を制御することが必要である。これまで、粒子形状を利用したTGG法など多くの研究がなされてきたが、圧電特性を示す方向に選択的に配向させることは難しかった。 我々は、非磁性の強誘電体でも結晶構造による磁気異方性を持つと考え、粉体を分散し強磁場を印加して成形後、焼成する方法により、BLSFsや、TBSFsで結晶配向させることに成功した。本講演では、BITの粉体の粒径と結晶性と結晶配向の相関に着目した磁場配向の制御因子の探索、および、Sr2NaNb5O15で、磁場印加方法を工夫し、一軸配向した焼結体を得るとともに、圧電特性と配向度の関係を調査した結果などについて述べる。
  • 木村 雅彦, 鈴木 達, 白露 幸祐, 安藤 陽, 目 義雄
    セッションID: 3A06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ビスマス層状化合物の配向セラミックスは圧電特性の温度安定性に優れることから主に発振子向けの応用が検討されているが、限界振動速度などハイパワー駆動時の特性にも優れており、超音波モータなどへの応用も期待される。これらの応用に対しては電極とセラミックスを交互に配置した積層構造が有利であると考えられるが、ホットプレス法やTGG法など従来の配向法では、自発分極方向が積層方向と平行になるような配向体が得られず、積層化による圧電特性向上が困難であった。
    一方、近年、磁化率の小さい材料に強磁場を印加し、配向セラミックスを作製する試みが盛んである。ビスマス層状化合物においてもこの手法を用いることで、自発分極方向が積層方向と平行になるような配向体を実現することが可能となる。そこで、我々はハイパワー駆動デバイスの積層化による特性向上を念頭に、磁場成形法によるビスマス層状化合物セラミックスの積層化を検討した。ビスマス層状化合物としてCaBi4Ti4O15を選び、2層のセラミックス層と電極からなる配向積層素子を作製し、その圧電特性を評価したので報告する。
  • 鈴木 宗泰, 稲井 慎也, 永田 肇, 竹中 正
    セッションID: 3A07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)の特徴の一つに機械品質係数Qmが高いことが挙げられる。我々はBLSFの持つ高Qmを十分に引き出す設計指針を立て、Bi3TiTaO9 (BTT)のAサイトにLaもしくはNdを置換したBi3-xMxTiTaO9 (M=La or Nd, BLTT-x, BLTT-x)セラミックスを作製し、圧電特性、強誘電性の評価結果を報告してきた。本研究では、ランタノイド置換したBTTセラミックスの中でも最も高いQmの値を確認したBNTT-xセラミックスをホット・フォージング (HF) 法により粒子配向制御することを試み、配向度が90%以上の試料を作製したので報告する。
  • 齋藤 康善, 高尾 尚史
    セッションID: 3A08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Topochemical反応を利用した結晶粒子変換法は、粒子のマクロ形状を保持しながら結晶構造のみを変換できるため、通常の方法では板状粒子が得られない等方性の結晶構造を有するペロブスカイト構造の板状粒子を合成するのに有効な方法である。この方法を我々はTMC法と呼んでおり、今までに{001}NaNbO3, {001}SrTiO3, {001}CaTiO3, {111}BaTiO3の板状粒子合成の結果を報告してきた。今回TMC法を用いて{001}KNbO3板状粒子が作製可能であるか検討し、さらに得られたKNbO3粒子を用いてRTGG法により配向(K0.5Na0.5)NbO3セラミックスが作製可能か検討した。まず出発物質としてNb層状化合物であるK4Nb6O17 用いてKNbO3へTMC法による変換合成を設計した。実験の結果850℃の合成温度でKNbO3ペロブスカイト構造への変換がほぼ100%の割合で起きていることが分かった。本粒子を配向用テンプレートとして用い(K,Na)NbO3配向セラミックスをTGG法で作製したところ、<001>軸配向度40%の配向(K0.5Na0.5)NbO3セラミックス焼結体が得られた。
  • 長田 実, 海老名 保男, 舟窪 浩, 木口 賢紀, 高田 和典, 佐々木 高義
    セッションID: 3A09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本グループでは、層状化合物の単層剥離により得られる酸化物ナノシートを構築単位に用いて、ナノ組織体を設計的に構築する技術の確立と高度な電磁気機能の創製を目指した研究を進めている。本研究では、最近開発した高誘電体チタニアナノシートを利用したユニークなデバイス作製技術と、高誘電体デバイスへの応用の可能性について検討する。溶液プロセスを用いたLayer-by-Layer積層集積により、超平滑電極上に不純物や欠陥のない積層ナノ薄膜の作製に成功した。その結果、従来のバルク体や薄膜では到達困難な薄膜化と高容量化が実現し、膜厚5?15nmの超薄膜では世界最高レベルの漏れ電流特性と高誘電率を有する高容量誘電体素子の開発に成功した(尚、本内容はNHKおはよう日本でも紹介された)。
  • 佐藤 和夫
    セッションID: 3A13
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    メタマテリアルは,自然界にはない優れた特性を示す人工材料である.特に,近年,負の誘電率と透磁率を有する人工的に作られた材料が注目されている.最近の研究では,このような物理現象の証明だけではなく,メタマテリアルの構造設計技術や,マイクロ波・ミリ波帯でのコンポーネント,デバイスなどの開発が現在積極的に進められている.これらの新しいメタマテリアルは,自動車レーダシステムのビーム走査アンテナシステム,電気自動車のための新しい磁性材料,そしてEMCのための電磁波吸収・遮へい材料など,将来の自動車エレクトロニクス応用にとって大変に魅力があるものと言える.ここでは,メタマテリアル技術の概要と高周波応用について述べる.
  • 掛本 博文, 李 建永, 張替 貴聖, 南 ソンミン, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 3A15
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、BaTiO3および誘電デバイスの微小領域・高周波誘電率測定を非接触プローブを用いて行うことを目的とする。既に、プローブの分解能は明らかにされ、微小領域(micro-region)の高周波・誘電率が、さまざまな周波数で測定できる。BaTiO3単結晶は、フローティング・ゾーン(FZ)法により作製し、成長軸であるc軸に対して垂直に切り出した。また誘電デバイスとして、積層セラミックスキャパシタ(MLCC)を用い、誘電体層や電極層に対して垂直に切り出し、両者を鏡面研磨を行い試料とした。測定周波数は8-11GHzとし、微小領域の誘電測定を行う。BaTiO3の誘電緩和は40GHzで生じると報告されているが、MLCCのBaTiO3誘電体層は、主に温度特性を改善するために、純粋なBaTiO3ではない。このため、MLCCの誘電体層の緩和周波数は、本測定周波数領域にあると考えられ、BaTiO3とMLCCの誘電体層の微小領域の誘電率および誘電損失(tand)の比較をすることで、それぞれの特性や、両者の違いを明らかにできると考えている。
  • 大里 齊
    セッションID: 3A16
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロ波誘電体は、ワイヤレス通信に多くの貢献をしてきた。マイクロ波誘電体に求められる特性に次の3つが存在する。その一は、品質係数Qである。その二は、誘電率である。誘電率は、利用目的に応じて大きいものから小さいものまで用いられる。高誘電率は機器の小型化に、中誘電率のものは基地局用に、低誘電率のものは波長の短いミリ波・準ミリ波領域の共振器等に利用される。近年、使用周波数は電波資源の関係から未利用であるより高周波の領域に移行しつつある。高周波に於は、周波数が高くなり、誘電損失が大きくなるので、高Qの材料が求められている。本報告では、高Q材の材料開発の指針を得ることを目指して、その発現機構に関してこれまでの知見をまとめてみたい。
  • 大平 晃也, 堺 香代
    セッションID: 3A17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    高周波帯で使用される酸化物系誘電体セラミックスは応用範囲が広く、その必要特性に応じて種々の組成が提案されている。誘電特性は純度や微構造の影響を受けるため、組成以外に合成法の検討も重要である。本研究では、数秒間での昇温・高温反応を特徴とする燃焼合成法により、MeO-Li2O-Ln2O3-TiO2系誘電体セラミックスを合成した。燃焼合成法は反応系に発熱源と酸素供給源を組み合わせて発熱反応時のエネルギーを利用するもので、外部加熱が不要となる。このために製造コストの大幅な低減が期待できる。燃焼合成法で得られた合成粉の焼結体比誘電率は約102、比誘電率温度係数は-3.8ppm/℃であった。
  • 井川 博行, 藤井 友也, 竹本 稔
    セッションID: 3A18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本組成系は固溶範囲が異常に広い。即ち、多くの(Ba1-xCax)置換系ペロブスカイトの固溶限界のx値が0.25以下であるのに対し、本系ではx = 0から0.85まで立方晶単一相が生成する。その機構の解明は他に譲り、既発表の一部修正を含めて次などを報告する。即ち、調合組成と生成物関係、さらに、横軸を調合組成として縦軸が格子定数、焼結体の密度・相対密度、比誘電率、Qf値、共振周波数温度係数。
  • 菅 章紀, 小川 宏隆, 横井 敦史
    セッションID: 3A19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    擬ペロブスカイト構造を持Ba8Nb6NiO24セラミックにおいて、NbサイトのTaおよびSb置換とNiサイトのMg, ZnおよびCoの置換を行い、Ba8(Nb6-xMx)Ni1-yM'y)O24(M=Ta, Sb, M'=Mg, Zn and Co)セラミックスの合成を行った。NbのSb置換置換では固溶限界がx=3付近である事が明らかとなり、格子定数は組成に依存して直線的に減少した。さらに、共振周波数の温度係数は+30から-30ppm/oCに変化し、x=1.4近傍でゼロに近い温度特性が得られる事が明らかとなった。また、Ba8(Nb6-xMx)Ni1-yM'y)O24セラミックスの品質係数は80000_から_90000GHzを示し、M'置換による品質係数の低下は認められなかった。
  • 安達 裕, ポール ムラート
    セッションID: 1PA01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    強誘電体薄膜をマイクロセンサーやマイクロアクチュエーター、高密度メモリーに応用するためには、強誘電体薄膜をナノパターニングする必要がある。ナノパターニングされた強誘電体薄膜のサイズ依存性およびプロセス依存性に関して知見を得ることは、これら応用に重要である。本研究では、収束イオンビーム(FIB)を用いて作製した大きなアスペクト比を持つPZTキャパシターの圧電特性に関する調査を行った。圧電応答顕微鏡(PFM)測定結果から、面内方向のサイズが400nm、高さ2μmのPZTキャパシターは、周辺の加工されていない部分と比べて非常に大きな圧電応答を示すことがわかった。これは圧電薄膜の面内サイズが数百nmサイズのレベルまで縮小されると通常の薄膜よりも大きな圧電性を示すようになることを示唆している。この大きな圧電特性が生じる原因につてい検討した結果を当日報告する。
  • 王谷 洋平, 渋谷 昌樹, 内山 潔, 塩嵜 忠
    セッションID: 1PA02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    4元系の複合酸化物薄膜を簡便な手法により形成する手法を確立したので、報告する。ホットプレート上で450oCに加熱したPt/Ti/SiO2/Si基板上に液体供給MOCVD用のPZTカクテル原料溶液とLa原料溶液を個別のアトマイザーから間欠的に直接噴霧することにより、非晶質PLZT薄膜を堆積した。この時、PZT原料とLa原料の噴霧間隔を変化させることによって原料供給量比を115/x/70/30(x=0,10,20,30,40)と変化させたところ、得られた薄膜の組成が単調に変化したことが組成分析により確認された。この非晶質PLZT薄膜を赤外線ランプ炉を用いた700oCでのRTAにより大気下で熱処理をしたところ、所望の組成の結晶化したPLZT薄膜の形成が確認されるとともに、上部電極堆積後にはヒステリシス特性を示した。
  • 崔 華哲, 橋元 伸晃, 畠山 里美, 土岐 規仁, 横田 政晶, 清水 健司
    セッションID: 1PA03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    強誘電体の極微細なドメインを制御することが出来れば、高性能な超 高密度情報記録素子や高速情報処理素子が得られる。そこで、本研究では、ド メイン制御を目指し、微細高誘電材料の生成とその評価を行った。その結果、 結晶性の良い、ナノサイズのチタン酸マグネシウムを生成することが出来、そ の評価もしたので報告する。
  • 藤吉 国孝, 牧野 晃久, 有村 雅司, 山下 洋子
    セッションID: 1PA04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々はこれまで、ゾルゲル法でチタン酸バリウムのナノ粒子を合成し、この合成したナノ粒子を分散させた溶液をスピンコートすることで薄膜を作製してきた。本研究では、本手法を用いて銅基板上にチタン酸バリウム薄膜を作製し、誘電特性等を評価し、薄膜コンデンサとしての応用の可能性を検討した。その結果、多数回のスピンコート・乾燥処理により膜厚約800nmの薄膜を作製し、窒素雰囲気下600℃で熱処理し、クラックの無いチタン酸バリウム薄膜を作製できた。この薄膜の電気的特性を評価したところ、比誘電率が約150、誘電損失が約3%であり、薄膜コンデンサとしての要求特性を満たしていた。
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