抄録
二次元ナノ物質である酸化チタンナノシートをホストとし、Ti席の一部をFe置換させた磁性半導体ナノシートを合成した。まずFe置換量を系統的に制御するため、Liをコドープし、層状チタン酸化物K0.8Ti1.2+(1.6-2x)/3FexLi(0.8-x)/3O4(x=0.8⇔0.0)を合成した。これらを酸処理後、単層剥離させることで、Fe置換酸化チタンナノシートを得た。得られたナノシートをレイヤーバイレイヤー積層で多層膜を作製し、磁気光学測定を行った。x=0.8試料では基礎吸収端の紫外光領域において、強磁性特有の磁気光学効果を確認した。さらに、系統的な磁気光学測定を行い、磁気光学特性のFe置換量依存性について検討した。