抄録
PZT薄膜の疲労特性向上には酸化物電極が有効である。その中でもLaNiO3(LNO)薄膜は,圧電MEMS応用に有利な(100)配向PZT薄膜を形成できるという点で優れている[1]。LNO薄膜を用いたPZT薄膜の配向性や疲労特性については,強誘電体メモリ応用を中心に多数の報告がされている。しかしながら圧電MEMS応用に重要なLNO薄膜の内部応力,これを含む圧電マイクロカンチレバーの反りについてはあまり報告されていない。本報告ではこれらの点を中心に検討を行い,圧電MEMSへの応用可能性について述べる。