抄録
光の拡散反射スペクトルと電子エネルギー損失分光(EELS)により、BaTiO3ナノ粒子の光学特性のサイズ依存性を評価した。測定にはプラズマCVD法で作製したBaTiO3ナノ粒子を用いた。拡散反射スペクトルによれば、BaTiO3のバンドギャップはサイズ11.5nm以下の領域で微小化とともに増大し、サイズ6.7nmで3.47eVを示した(バルクでは約3.2eV)。一方、EELSの価電子励起スペクトルの立ち上がりからサイズ6nmのバンドギャップは約3.5eVと算出された。この値は、光学測定によるバンドギャップの値3.47eV(6.7nm)と良く一致した。損失関数のKramers-Kronig解析を通じて、BaTiO3ナノ粒子の誘電関数を算出したところ、サイズ微小化によって、O2p→Ti3d(t2g)のバンド間遷移エネルギーは増大し、O2p→Ti3d(eg)の遷移エネルギーは減少することが明らかとなった。