抄録
層状金属酸化物のインターカレーション反応を利用して、層状構造を剥離させ、層状構造を構成する基本層のナノシートを得ることができる。このようなナノシートを少し形状や構造を変えることで新たなナノ材料が得られることから、ナノシートを利用する新規ナノ材料合成プロセスは有望的である。本研究では、剥離反応と水熱反応を利用して、チタン酸化物ナノシートやマンガン酸化物ナノシートからナノシート状BaTiO3やアナターゼ型TiO2の合成、多結晶基板上におけるBaTiO3やTiO2配向性薄膜の作成、マンガン酸化物ナノチューブやナノファイバーの合成などに成功した。これらの研究例から、ナノシートを利用した水熱合成プロセスはユニークでかつ有用であることを実証した。