抄録
溶媒揮発法を利用しリオトロピック液晶を導電性基板上に形成させ、電析法によりメソポーラスPt-Ru合金を合成した。生成物は、数百nm程度の球状粒子であり、その粒子内部には高規則性のメソポーラス構造が形成していた。本手法では溶媒揮発法用いてLLC液晶の形成を行っており、従来のLLC液晶と比べ高い規則性を有するLLC液晶が形成可能であった。本検討においては、このような高い規則性を有するLLC液晶を鋳型として用いることで、従来の報告にはない高い規則性・長周期を有するメソポーラスPt-Ru合金の合成に成功した。微細構造解析の結果、PtとRuは骨格中に均一に分布しており、ナノスケールでの相分離は確認されなかった。また、電子線回折ではfcc構造に帰属可能なリング状の回折円であり、RuがPtに置換固溶されているものと考えられる。