日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第19回秋季シンポジウム
セッションID: 2PE01
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チタン酸バリウムナノ粒子におけるメゾスコピック粒子構造の制御と誘電特性
*滝沢 佳世保科 拓也掛本 博文鶴見 敬章和田 智志黒岩 芳弘
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抄録
近年、積層セラミックコンデンサーが小型・大容量化するに伴い、その原料であるチタン酸バリウムナノ粒子も微細化が進み,サイズ効果が注目されている。そのため、100nm以下の粒子径における誘電特性を明らかにすることは重要である。我々は蓚酸塩の2段階熱分解法により作製したBaTiO3微粒子が58nmで比誘電率15,000を持つことを報告した。この原因を検討した結果、すべてのBaTiO3微粒子は表面立方晶層と内部バルク層の2層構造から構成されていること、そして室温での比誘電率が粒子の表面立方晶層の厚さに大きく依存することを見いだした。従って、表面層の厚さを薄くすれば更に高い比誘電率を室温で期待することが出来る。そこで、本研究では2段階熱分解法において、中間生成物Ba2Ti2O5CO3の真空熱処理によりBaTiO3微粒子が生成する際の真空度を変えることで、表面層の厚さを制御し、その結果高い比誘電率を持つBaTiO3微粒子の合成を目指し、検討を行った。
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©  日本セラミックス協会 2006
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