抄録
金属の耐蝕性,耐磨耗性及び高温での耐酸化性を改善するためセラミックスコーティングがしばしば用いられる。ゾル_-_ゲル法による金属のコーティングは高純度で均質なコーティング膜を得ることができ、且つ低温にてコーティング膜を形成できる。また、スパッタリングや化学気相成長法(CVD) などに比べて比較的簡単な装置で広い面積の基板上にコーティングができる。しかし、ゾルーゲル法による金属コーティングは、熱処理過程において基板とコーティング膜の間に応力が発生し、亀裂が生じるという問題が起こる。このような問題があるため、一般的にゾル-ゲルコーティングでは1µm以上のコーティング膜の形成は難しいと言われている。本研究ではコーティング組成物に有機組成物を導入すること及びh_-_BNナノ粒子を分散することにより内部応力を緩和させて上記の問題を解決した。