抄録
近年, 誘電体を用いたデバイスは, 小型化され, 使用周波数が高くなっている。このため, 微視的な分極応答の取得が出来, かつ周波数可変な測定法の開発が必要である。これまでに, マイクロ波非接触プローブを誘電体試料に近づけると, マイクロ波の位相が90度になった位置(mmオーダーの領域)で, 試料がマイクロ波を透過(一部は吸収, 試料裏面で反射)するようになり, 反射強度に最小値が現れる。この最小値の反射強度の値を用いて, 試料の誘電率の計算を実施した。今回は, Kirchhoffの回折理論を用いて, マイクロ波開口部からの電界強度や分解能, 測定確度について解析を行ったので報告する。