抄録
Al2O3を数mol%添加したZnO焼結体は置換型固溶体を形成しやすく,その半導体特性は不純物元素の存在によって著しく変化する.本研究では,XRD,EPMAによりZnO焼結体中にAlがZnAl2O4の形で存在していることが示唆され,さらにAFM,SAMを用いてZnAl2O4の分布状態を観察した.しかしこれらの機器では,ZnO粒内に固溶しているAlを直接検出することは困難である.そこで微量元素の検出が可能なSIMSを用いてマッピング測定を行ったところ,ZnO粒内にAlが固溶していることが示唆された.これはAl固溶によるZnOの格子定数の変化と一致している.